暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の十字架
〜It works togetherE〜
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急いで甲板に戻るとすでに戦闘は終盤に差し掛かっていた
おもに戦っていたのは、ほかの貴族の護衛魔導士で、襲撃してきた闇ギルドを撃退している
すると、背後から俺を呼ぶ声とともに駆け足の音が聞こえてきた

「ミラ!無事か?」

「うん・・・戦闘はみんなにまかせっきりだったけど、避難はすんだわ!」

「了解残りはまとめて俺がやる。下がってろ」

護衛の魔導士にも同じようなことを言って下がらせる
俺は口元に魔力を集中させた

「・・・覇竜の、咆哮ッ!」

わざと外して怪我は負わせない。もちろん船を壊すこともない
俺の膨大な魔力の量に、闇ギルド団員は勿論、味方の魔導士も唖然としている

「即刻立ち去るか、遣り合うか、好きにしろ・・・」

その言葉にみなが我に返りいちもくさんに海に飛び込む。正確には、海にある自分たちの船に、だが
船が去って見えなくなるのを確認した後、俺とミラは船室に避難させた貴族の方たちを迎えに行く。一応魔力探査を行うがなんの反応もないから闇ギルドは完全に撤退したのだろう。だが、ボラにオークションの品を全て持って行かれた可能性が大きい

「・・・みなさん、もう大丈夫です」

「闇ギルドは俺らで追っ払った。とりあえずは安全だ」

恐る恐る部屋から貴族が出ていく。俺はケビンに駆け寄り、肩を貸しながら立ち上がり、言った

「悪い、つらいとは思うが少し確認してほしいことがある」

「な、なんでしょう」

足取りもおぼつかない。いや、あまりの恐怖に腰が抜けてるやもしれん

「・・・宝物庫の中身が全部やられた可能性がある。それを確認してほしい」

「え!?」

申し訳ない気持ちで肩をかしながら船底に向かった






「・・・・やはり、全部盗られましたね」

・・・やられたな

「すまない。必ず取り戻す」

「いえ、そこまでしてもらわなくて大丈夫です。盗まれる覚悟ぐらい出来てますよ」

しかし表情は暗い
その時、ミラがなにか思い出したようだ

「!クルス!さっきね、何人か捕まえたんだけど、その中に見たことある顔があったの!昼間の奴!」

昼間・・・。あぁ絡んできたあいつらか
しかし今このタイミングでなぜ話した?

「なにか聞き出せる、かな?」

「・・・可能性は薄いが聞いてみるか」

再び肩を貸して、甲板に戻った




「ん・・・んぅ」

スキンヘッドの男が縄についたまま目を覚ます

「ん、起きたか」

俺の顔を見るなり、男は目を見開き、驚きの表情をなんの遠慮もなく表した

「あぁ!!あ、あなたは!」

ん?あなたは?

「兄貴と呼ばせてください!!」

「・・・却下」

突然すぎる。しかも
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