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インフィニット・ア・ライブ
第四話「代表 ~calculation~」
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は、ヘタレと言う。

「それならば仕方あるまい。下僕の意見も尊重しなければな」
「宣誓。狂三殿にも謝らなければ」
「さて、行くぞ」

 一夏は立ち上がると、二人に手を差し伸べる。
 それを見た夕弦と耶倶矢はアイコンタクトを交わし、何かを決心したように頷く。

「その、一夏。少し、眼を閉じてくれないかな」
「何でだ?」
「謝礼。受け取ってもらいたいものがあります」
「何だか知らんが、分かったよ」

 夕弦と耶倶矢の真剣な表情に圧され、一夏は眼を閉じる。

「いい!?見るんじゃないわよ!」
「忠告。大人しくしてて下さい」
「全く。分かったよ。ッ!?」

 両頬に手を添えられたと知覚した瞬間、唇に何やら柔らかいものが二つ押し付けられた感触に、一夏は絶句する。

「私達のファーストキスよ。ククク。我が下僕には、身に余る光栄であろう?って、あれ?」
「宣告。狂三殿にも負けません。ん?」

 二人の突然のキスに困惑しながらも、眼を開けた一夏が見たのは、夕弦と耶倶矢の服が光の粒子となって消えていく最中であった。

「「キ…」」
「あ、なんかデジャブが」

諦めたような悟りを開いたような顔になり、もはや覚悟を決めた一夏。

「「キャァァァアアア!!」」
「またスタンガn、ヴヴヴ!!」

 どこか理不尽さを感じながら、一夏は八舞姉妹がどこからか取り出したスタンガンを首筋に突き付けられて気絶した。

「ど、どうしよう!?キスだけじゃなくて裸まで見られるなんて!?赤ちゃんできちゃうよ!デュフフ」
「冷静沈着。こういう時はまず深呼吸です。ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。グフフ」

 言葉とは裏腹に、二人は頬を紅く染めながらも、ニヘラ、としまりない表情で体をクネらせている。

「オオーイ!いっちー!それに、夕弦っちにかぐっちぃー!無事ッスかぁー!?」

 唐突に、沖合いから体にロボットのような機械、ISをまとった少女が飛んできた。

「あ……」
「「………………」」

 だが、探していた一夏達の余程の唐変木でもない限り想像できる、すなわち、アレをシたような状況に、少女と、少女が絶対誤解すると確信する八舞姉妹との間で無言が続く。

「ず」
「「ず?」」
「ズルいッス!二人だけ美味しい展開とは!!あたしも交ざるッス!!」

 少女の言葉に二人は、両目をパチクリ瞬く。

「エエ――――――!?」
「予想ガイdeath」

 夜空には少女達の喧騒を楽しむかの如く、三日月が浮かんでいた。







「さて、授業を始める前にこのクラスの代表を決めたいと思う」

 教壇に立った千冬の、今思い出しました、といった感じの物言いにエレンと一夏はこっそりため息を吐く。
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