暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫〜如水伝〜
十四話
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

黄巾の乱が終わり、曹操の名は大きく上がった。そして、領土も増え如水ら文官の仕事も以前以上に多くなった。
まず、首謀者の張三姉妹だが曹操の監視下に置かれ、黄巾の残党を鎮める様に命じさせた。
何でも、乱の発端は歌の興行で大陸を歌で制覇すると言った事が、下の者達が勘違いしたらしい。今後は、曹操のお抱えの楽曲団としてほとぼりが冷めた後、活動するらしい。その事について如水は切っ掛けはどうであれ、漢王朝には既に民衆を統べる事が出来ないと理解した。
張三姉妹に至ってはしばらく、黄巾の残党を鎮めさせ、その後、曹操が主催する興行で歌を披露するらしい、おそらくそれもいずれ大きな財源となるだろう。
いずれにせよ、能や狂言を自分から主催した事も無く、茶道についてものめり込む事も無かった、芸術分野に疎い如水には、自分にあまり関わりの無い事だと思った。
そして、曹操は為政者として新たに増えた領土に良政を敷き民力の向上に、専念した。
手始めに曹操は、荒廃した都市や集落への支援や、新たに増えた領土の安定と発展の施政を行う様に如水ら文官に命じた。
文官として働く一方で、曹操の軍でも有力な将の一人の如水は、兵の鍛錬にも力を入れ、更に、自分に預けられた三人を将として指導していた。

その他、如水は華琳に頼み、以前は出来なかった、技術研究の予算を設けて貰う事を許され、特別に部屋を用意して貰い、研究に力を入れていた。
その事を聞き、興味を持った真桜はそれを見てみたいといい、如水もそれを許可した。

城内の外れの小屋

部屋に入ると見た事が無い物が多く並んでおり、真桜は如水に次々に質問した。
「なあ、先生。この竹の筒は何や?」
「これは火箭と言って、火薬を含めた竹筒に矢を入れて、火薬の爆発で矢を飛ばす武器だ」
「じゃあ、この、丸い鉄は何や」
「それは、鉄玉と名づけた物だ。鉄の中に大量の火薬を入れてある、衝撃で爆発するから、気をつけてくれ」
「じゃあ、こっちの壷は?」
「これは、私が製造した火薬が入っている、不純物が少なく爆発力が格段に高い。この火薬が製造できたから、これらの武器が完成した」
「さっきから言ってる火薬って何や、先生」
「ああ、火や、衝撃で爆発する粉の事だ」
「それが、この粉かいな」
「領内に硝石と硫黄が採れる場所がいくつかあるのでな、華琳と相談し、その土地は税の代わりにこれを収める様に命じた」
「それを混ぜたんがこの粉か、そう言えば、この前、皆に見せてくれてたな」
「あれは、花火と言って、どちらかと言えば見て楽しむものだが、この部屋の物とは少し違うな」
「物騒な物ばっかりなんやな、この部屋」
部屋を見渡した真桜は感心した
「ああ、だから、私と華琳しか鍵を持っていない部屋だ」
「先生って、絡繰だけやのうてこんな事も知ってたんや
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ