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同士との邂逅
十ニ 傷と痕
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っていない手をポケットにつっこんだ。

「アレか?近づいて気を許したところをグサリ!か?その時は俺らもまぜろよ」
「アイツいくら殴っても死なないし、ストレス発散には丁度いいよな」
「けど殺して英雄になるのもいいよなあ…なかなか死なないからチビチビ毒を盛る計画でも立ててんのかよ?」
次々と矢継ぎ早に男達は話し掛けてくる。その中心に横島は無言で立っていた。

昨日の男達も[化け狐]と悪態を吐き、ナルトの部屋を出入りする理由を詰ってきたのだ。最近こんな事が多い。ただでさえ二重生活しているのに負担を重くさせるのが嫌なので、ナルトには一切言っていない。
今まではのらりくらりと逃げていたが同じ事が何度も続くと流石の横島も苛立ちが積る。

何も言わない横島に痺れを切らしたのか、男の一人が胸倉を掴んできた。
「なんとか言えよ。それともまさかあの化け狐の味方なんか…っ」
一向に口を開かない横島に対し、イライラとし始める男達。胸倉を掴んでいる男が殴ろうと腕を振り上げた。




途端ヒュッと風が、横島と男達の間に割り込んだ。

「――――何をやっている」




冷たい声がその場に響き渡る。その声を聞いた瞬間、横島以外の男達は足が地面に縫い付けられたように硬直した。

「あ………暗部…」

狐面で顔を隠した青年が気配も無く横島の隣に立っている。いつ来たのかどこから来たのか。
ぽたっと何か雫が落ちる音がした。音がする方に目を向けた男達は、一瞬で顔を青褪める。
狐面がゆるく手に握っているクナイから、生々しい赤が滴り落ちていた。


「……――――失せろ」
一言。

耳にした者が背筋を逆立てるほどの冷やかな声が狐面から発せられた。恐怖で怯えていた男達はその一言で、ヒッと喉を詰まらせる。足を縺れさせながら我先にと逃げ出す彼らの背中を、横島はぼんやり眺めていた。




「………助かった〜」
直後、気の抜けた声と共にへなへなと座り込む。そんな横島の姿に、狐面は視線を合わせず言い放った。
「あの男達がな」
ピクリと眉根を寄せた横島に向かって淡々と狐面は言葉を紡ぐ。

「お前、ポケットに手を突っ込んでただろ」
「……それがどうかしたのか?」
素知らぬ顔で言う横島に、狐面はわざとらしく肩をすくめてみせた。へらっと横島は笑いながら、醤油を改めて持ち直す。立ち上がった際にポケット内で文珠が仄かな光を点滅させた。

「…―――場所を移そう」
返事も待たずに、ひょいっと狐面は横島を抱えて飛躍した。抗議しようとした横島だが、狐面に視線で制され口を瞑る。そのまま傍の森へ二人は飛び込んだ。






木から木へ軽やかに飛び移る。その身体能力に感心すると共に抱えられている自分が情けなくなってき
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