第七話 Father and Son
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トウジに殴られて以来、シンジはクラスから仲間外れにされていた。おそらくトウジやケンスケが、男子連中に言って回ったのだろう。シンジも気分が良くない。
包帯を体中に巻いた綾波も、時折学校に姿を見せるようになった。しかし、まだ一度も話した事がない。そしてあちらから話しかけてくるような事もないまま、二週間ほどが過ぎていた。
シンジは休み時間を専ら屋上で過ごす。父の使っていたS-DATで音楽を聴きながら、何もせずただ青空を眺めるだけ。常夏の国日本の空は、休み時間中には必ず晴れていた。
トラックナンバー28の曲を聞いていたこの日、自分以外に誰もいないはずの屋上の床に、人影が映った。
体を起して見ると、それは綾波レイだった。
「非常招集…先、行くから…」
そう言うと彼女は、包帯の取れない体で本部に向かって駆けて行った。
「次は…あれか…」
どうせまたあの二人は抜け出してくるんだろう…一回絞っといた方がいいかも…
シンジはそう考えながら、自分も本部へと急いだ。
本部発令室では、既に総員第一種戦闘配置が命ぜられ、第三新東京市が戦闘態勢に移行しつつある。
ビルは次々に地下に収容され、それと入れ替わって兵装ビルが生えてくる。大量の対空装備が、第五の使徒の到着を待っている。
兵装ビルが出そろったところで、エントリープラグ内のシンジに命令が下る。
「シンジ君、出撃よ」
「はい…」
「いい、敵A.T.フィールドを中和しつつ、ガトリングの一斉射。良いわね。練習どうりに」
「はい…」
シンジはどうやって敵を倒すか考えていた。あんまりガトリングを撃つと爆煙で敵が見えなくなって前世の二の舞、しかしガトリングが強力な兵器である事も否定はできない。やはり、距離を取るか…。
そうこうしているうちに、シンジの乗ったエヴァ初号機は地上に射出された。発令所からの操作で、A.T.フィールドが展開され、敵のフィールドが若干中和される。しかし全部中和できてはいない。彼も感覚でそのことを感じ取っていた。
「作戦通り、いいわね。シンジ君」
「はい…」
シンジは返事をすると、ガトリングを持って敵の面前に出る。そこで叫んだ。
「A.T.フィールド、全開!!」
暴風が起こる。電線が激しく鳴り、敵のA.T.フィールドも消え去る。これでガトリングは通用するが、シンジは一旦山の方まで距離を取った。
「シンジ君、何をしてるの!?」
「ミサトさん、敵は光る鞭を使って攻撃してきます! この近距離じゃ分が悪いですよ!!」
ミサトは一瞬はっとした表情を浮かべたが、すぐに返事を返す。
「…了解!! 山
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