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少女1人>リリカルマジカル
第二十七話 少年期I
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ったが、こいつの迷子の責任が俺に全くないわけではなかった。だから行きたくはなかったが、管理局の地上本部にでもこいつを連れて行けばいいか、と最初は思っていたのだ。あそこは迷子目印のシンボルだし。

 それに待ったをかけたのは、絶賛迷子中だと言っていた張本人だった。なんでも近々このクラナガンに引っ越しが決まったから、地理に詳しくなりたいと言ってきたのだ。地上本部まで歩いている最中に、俺がクラナガンの地理に明るいとわかったから頼んできたらしい。

 だが、当然俺は断った。俺はこれ以上疲れたくない。帰ったら真っ昼間だろうがすぐに惰眠を貪ると決めたんだ。そう素直にぶっちゃけると、「なんかダメな人のセリフのような気が……」とか言われた。誰のせいだと思っているんだよ!?


「そういえば、エイカの家ってこの近くにあるの?」
「……なんでそんなこと聞くんだ」
「いや、深い意味はないけどさ。寝る発言していたから、家が近いのかなって思っただけ」

 今思うとなんでそんなことを言ってしまったんだろう。間違いなくその時は平常心ではなかったのだろうな、と俺はすぐに答えが導き出せた。正直考えるのを若干放棄していたのだ。それぐらい俺は疲れていた。

「あと家が近いならなんかごめんな。お腹空いていたりしないか? あんなにも簡単に食べ物に釣られ…目がなかったみたいだし」
「……お前一言多いとか言われないか」

 あの時食い物に釣られたのは事実だが何が悪い。ガイドを断った俺に、デバイスから変な円柱型の容器を取り出したこいつ。そして笑顔で取引を迫ってきた。ガイドをしてくれたらお礼として、このお湯をかけるだけでできる魔法のカップをやろう……と。

 こいつ卑怯すぎる。晩飯ゲットのチャンスをこの俺が逃せるわけがないだろう。心底ややこしいが別にこいつ自身に害はない。「飯>こいつ」の思考になった俺は間違っていない。ほぼタダで飯が手に入るのなら何も問題はない。

 ちなみに俺の即答に、提案してきたこいつが一番驚いていた。よくわからないが、こいつから1本取れた気がして気分がよかった。その後なぜか生暖かい視線も一緒に感じたが、なんだったのだろうか。


「そういえば、なんで公園に来たかったんだ」
「んー、ほら引っ越しをしたらよく利用しそうな場所だし。知っておいた方がいいかなって。……何より、お兄ちゃんすごい! と妹に言われるために努力は惜しめんさ」
「努力の使い方をお前が間違っているのはわかった。あと妹なんていたのか」
「いるよー。双子の妹で俺はお兄ちゃんです」

 兄という部分に自信ありげに答えるこいつ。こんな兄貴を持っているなんて、なんて不憫な妹だ。いや双子だと言っていたし、もしかしてこいつの女バージョンです、とかいうオチではないよな。え、なにそのカ
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