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ソードアート・オンライン 舞えない黒蝶のバレリーナ (現在修正中)
第一部 ―愚者よ、後ろを振り返ってはならない
第1章
プロローグ
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ない。害されない。……視られない。
 自分自身でさえ、己の姿が視えない、わからない。
 きっと私は、“心”も捨ててしまったから。私は血が通っていない化け物になってしまったから。


 だから、もう、やめて。


 暗く、冷たい、その癖地獄の炎のように熱い、……そんな闇だけが広がる空間で、誰かが泣き叫んでいる。
 延々と、泣き続けている。
 声だってもう枯れているのに、“心”だけ叫んでいる。
 
 それは、ひどく私を不快にさせるもので。
 ただそれだけが、落ち着くこの空間で唯一いつまでも逆らっていて。

 ただ、泣いている。
 それだけ、……のはずなのに。
 もう声は出ていなくても、やけに響く。干渉される。乱される。


 ……うるさい。だまれ。やめろ。

 やめろ!!


 もう、何もかもが“無駄”なんだ。……“無駄”なんだよ。
 それくらい、あなただって、分かっているはずでしょう――――!?


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