暁 〜小説投稿サイト〜
レインボークラウン
第十一話

[8]前話 [2]次話
                  第十一話  どれだけ飲んでも
 華奈子は毎日一リットルずつ牛乳を飲んでみた、だが。
 胸は一向に大きくならない、それで美奈子に困った顔で話した。
「胸だけれどね」
「大きくならないっていうのね」
「牛乳飲んでもね」
 それでもだというのだ。
「全然大きくならないけれど」
「すぐに大きくなる訳ないわよ」
 美奈子はその華奈子にこう話した。
「すぐにはね」
「徐々に、なのね」
「一日で背が伸びるってこともないわよね」
 美奈子は華奈子にわかりやすく話した、具体的な例を出してだ。
「そういうことよ」
「ううん、じゃあ」
「毎日ね」
 本当に毎日だというのだ。
「毎日牛乳飲んで」
「運動もしてよね」
「華奈子は身体はよく動かしてるからね」
 このことは問題ないというのだ、相変わらずスポーツ関係については万能の華奈子である。無論そこにはダンスも入る。
「牛乳を飲み過ぎても太らないから」
「それは大丈夫よね」
「絶対にね。ただね」
 ここで言う美奈子だった。
「本当にすぐじゃないし、それに」
「それにって?」
「背が伸びてもいいわよね」
 こう華奈子に問うたのである。
「胸より背の方に栄養が優先されるらしいから、牛乳って」
「へえ、そうなの」
「絶対にじゃないし確かなことは私もわからないけれどね
 だがそれでもだというのだ。
「牛乳はまず背みたいよ」
「別に背はね」
 いいと言う華奈子だった。
「胸に興味があるから」
「どうなるかしら、けれど華奈子がそうするなら」
「そうするなら?」
「私も牛乳飲むわ」
 美奈子は考える顔で言った。
「そうするわ」
「何で飲むの?」
「いや、華奈子が胸か背が大きくなって」
 それでだというのだ。
「私がそのままだと困るから」
「だからなの」
「今同じ背とスリーサイズだけれど」
 それが崩れたら困るというのだ。
 美奈子は無意識のうちに華奈子の胸を見た、そのうえで少し思うところがあって牛乳を飲みだしたのである。


第十一話   完


                2013・2・18
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ