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外伝 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
勇者まつなんとかさんの冒険?
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あたしは、勇者まつり。


アリアハンで勇者になるために、訓練をしているわ。
正直、勇者なんてほかにもいるから、訓練なんかしなくても問題ないと思っているけど、王宮の人にふざけるなと大声で怒られたことがある。
別に、勇者になりたいと思った訳じゃないのに、勘弁して欲しい。

あたしが、5歳のときに王宮にある水晶玉にさわったら、急に金色に輝きだしたのでびっくりした。

「おお、本物の勇者だ」
「これで、世界が救われる!」
とか、口々に言われ得るけど、あたしみたいな女の子じゃなくて、大きな大人が集団でなんとかしなさいよ!と思ったけど、口には出さなかった。
誰も、興奮していたから、聞いてもらえないとわかっていたし。



その日から、急にまわりの大人達があたしのことを、「勇者様」とか呼ぶようになって、正直うんざりした。
あたしの名前は、まつり。
ちゃんと名前で呼んでよね。
3文字しかないのに、「まつなんとかさん」とかで覚えている人がいると聞いて驚いた。
そんな人には、「おもいだす」という呪文が必要ね。


まあ、勇者になって良かったことはあったわ。
家はお父さんが、若い頃に無くなったので、お母さんがわずかな収入で家計をやりくりしていたけど、あたしが勇者になったことで王宮から支度金がもらえたみたい。
「これで、生活が楽になった」と喜んでいた。

そのかわり、冒険であたしがもらえる支度金が50Gになるらしい。
「最初から大金を持って、強力な武器や防具を持つと、冒険の成長の阻害になる」とかなんとか、綺麗な服を着飾った人が言っていた。
世界を救う人への先行投資が50Gだけ。
それって、おかしいと思うのはあたしだけ?


勇者になるための勉強をしていたけど、あんまり面白くなかったわ。
本を読んだり、礼儀作法を学んだり、宝箱を開ける練習をしたり。
戦闘訓練も、ひのきの棒を毎日同じようにふりまわすだけ。
外に出ることが許されていないから、モンスターと戦ったことが一度もないの。
こんなことで、勇者なんて勤まるのかしら。


ついにこの日がやってきた。
アリアハンから勇者様ご一行が旅立つ日。
でも、王宮の人達はあまり勇者を歓迎しなかったみたい。
「アーベル達が倒すから問題ない」とか
「これで、キセノン商会の力がますます増大する」とか
「まあ、モンスターがいなくなれば問題ない」とか
「勇者オルテガの事もある。過信はできない」とか
「セレンちゃんの後をついていきたい」とか
いろいろだった。


勇者様ご一行の随行は、アーベルさん、テルルさん、セレンさんだった。
アーベルさんは、3人のまとめ役で、勇者が旅に出るまではリーダーとして世界各地を冒険したらしいわ。
彼は、ロマリア王国という国で
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