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魔法科高校の神童生
Episode10:シルバーの正体とコピペ
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「しかし、あれは」


「魔法ではありません。正真正銘、身体的な技術ですよ」


「わたしも証言します。あれは、兄の体術です。兄は、忍術使い・九重八雲先生の指導を受けているのです」


 思わず俺は、驚愕に目を見開いていた。俺も、対人戦闘に通じているからこそ分かる。古式魔法の使い手にして、高名な格闘家。まさか、達也がその人の指導を受けているとは。ならば恐らく、体術の面だけでは俺と達也の技術は五分五分か、相手側が一枚上手程度だろう。
 余りの衝撃のせいで、俺も達也の弁護に回ろうとしていたのを忘れてしまったほどだ。


「じゃあ、あの攻撃に使った魔法も忍術ですか?私には、サイオンの波動そのものを放ったようにしか見えなかったんですが」


 とはいえ、この中にいる誰もが驚いているばかりではなかった。生徒会長が、同じようにサイオンの弾丸を駆使するが故の興味で達也に問いかけた。
 達也が服部先輩を混沌させた魔法。あの時はサイオンが改変されていた。恐らく、あれは振動魔法だろう。それに、技術で劣る達也でさえあの素早い展開だから、多分、振動の基礎単一系魔法。それで、サイオンの波を作り出していたはずだ。しかし、それだけでは服部先輩が倒れたことにはならない。
 俺と同じ疑問を覚えた生徒会長が、達也へ疑問を重ねた。


「酔ったんですよ」


「酔った?一体何に?」


酔った、ねぇ。


「魔法師はサイオンを、可視光線や可聴音波と同じように知覚します。それは魔法を行使する上で必須の技術ですが、その副作用で、予期せぬサイオンの波動に晒された魔法師は、実際に自分の体が揺さぶられたように錯覚するんですよ。その錯覚が肉体に影響を及ぼしたのです。催眠術で『火傷をした』、という暗示を与えられることにより、実際に火ぶくれが生じるのと同じメカニズムですね。この場合は『揺さぶられた』という錯覚によって、激しい船酔いのようなものになったというわけです」


淡々とした口調で語られる魔法のタネ。しかし、達也の今の説明では納得できない部分があった。


「そんな、信じられない……魔法師は普段から、サイオンの波動に晒されて、サイオン波に慣れているはずなよ。無系統魔法は勿論のこと、起動式だって魔法式だってサイオン波動の一種だもの。それなりに、魔法師が立っていられないほどのサイオン波なんて、そんな強い波動を、一体どうやって?」


そう、魔法師は普段からサイオンに触れ、サイオンに脅かされている。だからこそ、サイオンの暴風には慣れているはずなのだ。
と、驚愕を露わにしている生徒会長の質問に答えたのは市原先輩だった。


「波の合成、ですね」


「リンちゃん?」


波の合成……ああ、なるほど
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