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(聖刻シリーズ)創造の紡ぎ手と異世界、そして妖精
1
序章 願い
「悪くない」

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side:ルーシィ

謎の少年、ストーリィ。
それに、彼が魔法を使う時一瞬感じた、「強大で濃密な」魔力。
・・・一体何者なのだろう。
「旅人」と名乗ってはいたものの、実際はどうなのか。
フィオーレ王国のことも知らないなんておかしい。絶対にあり得ない。
そう疑いを抱きながら彼を見ていたけれど、別におかしいことはないようで。

(創造魔法・・・)
「固有魔法」と言っていたが、ルーシィは同じような魔法を使う魔導士を一人だけ知っている。
あのミッドナイト。
厳密には違うけど、ストーリィの話を聞いていて最初に思い浮かんだのはその人物だった。
(本当はどうなんだろう・・)



side:ストーリィ

一方その頃ストーリィは、心の中でルーシィに謝罪していた。
(・・見ず知らずの、赤の他人に教えるわけにはいかないからな)
と言っても、半分は本当なのだから やましい気持ちなど欠片も存在しないのだが。
ストーリィの魔法・・いや魔術「創造」は 魔術というカテゴリー そのものである。
正確には、「滅竜魔法」のように「創造魔法」と言うカテゴリーであるのか。
「創造魔法」のカテゴリー全ての魔法を使いこなせるのが「ストーリィ」なのである。
「創造の紡ぎ手」と呼ばれるのも、その魔術故だ。
だけど、
(「アイツ」のせいで一部封印されてしまったんだよなあ・・)
その強力無比な威力のせいで、現状一部の魔術が封印されているのも事実。
理由はわからない程無知ではないが、やっぱり「異世界」という事もあってか不安である。
異世界では何が起こるか分からない。
ストーリィには、自らの身を守る方法が「魔術」しかないのだから。
(さっさと解除して欲しいけどな。オレじゃあ「その封印は」解除できないし)
ルーシィにああ言ったのは、ここは慎重にいくべきだと判断したからだ。
(いつか本当の事を言える時がきたら、その時謝罪すればいい)
「いつか」が来ればの話だ。
それまでストーリィがここに居ればの話。
ストーリィにはここに来た理由があって、それはただ興味があっただけではない。
「探し物」を探しにこの世界にやってきた訳で。(興味もあったが)
(けどまあ当分ここにいる事になりそうだし、今のうちに良い関係を築くのは悪くない)
あまりここの出来事には深入りせず、だけど折角の異世界だし楽しんで。
(やることいっぱいだ。けど、)

「あの世界」よりは悪くない。 きっと。


そう思いながら、ストーリィはフェアリーテイルのメンバーを見た。






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