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【旧】銀英伝 異伝、フロル・リシャール
外伝 新しい家
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たら、とてもとても可愛い仔犬がいて、私はそれに夢中になってしまった。フラウは「もし飼いたいなら、あなたの保護者に頼んでみなさい。もしあなたが本当に望むなら、彼はきっと許してくれるわ」と言っていた。どうやらフラウは彼のことを信用してるみたい。
 そのあと、私はフラウのお家に伺った。中将だというフラウの夫の人にもご挨拶した。彼はちょっと斜に構えてる(この前習った表現)人だけど、フラウのご主人だけあって、とても素敵なおじいさんだった。フラウは私のためにアールグレイのケーキを焼いてくれて、それがとても、とても美味しかった。それを言うと、フラウはニコニコ笑っていた。まるで自分に祖父と祖母ができたみたいで、幸せな一日だった。



5月29日(水) 天気:曇り
 昨日とは打って変わって、いろいろと大変な日だった。キャゼルヌ大佐が来たんだけど、書類にサインが必要なんだという。それでその書類が難しいんだけど、それを一つ一つ噛み砕いて大佐は教えてくれた。普通の役人なら何も言わずに書かせるんだけど、大佐は「君のためになることだから、君もちゃんとわかっていた方が良い」と言って、教えてくれたみたい。そのせいで頭をうんと使ったから、疲れてしまった。学校が転校になるという。今の学校では、亡命者の娘としてあまり友達ができなかったけど、転校先では友達ができるといいな。



5月30日(木) 天気:雨
 今、寝る前に日記を書いてる。私は明後日、私は新しい保護者に会いに行く。
 フラウや大佐から話を聞いて、そんなに心配はしてないけれど、でもやはり不安がある。いったいどんな人なのだろう。私の実の父のように女ったらしではないというから、それは良かったと思う。でもできたら、ちゃんとカッコいい人がいいと思う。おじさんは嫌。だけどまだ26だというから、それは大丈夫だと思う。
 もう寝なきゃいけない時間なのに、まだ眠くならない。ああ、神様!



5月31日(金) 天気:曇りのち晴れ
 今日は荷物を詰める作業をしていた。この前の買い物でちょっと増えてしまったけれど、それでも段ボール一つとトランク一つだった。たったこれだけ。お母さまの写真とか、形見とか、そういうのもあるけど、きっと同年代の女の子に比べたら服とかが少ないんだと思う。私は学校の制服しか持っていなかった。この前の買い物で、白い可愛いワンピースを買ってもらった。明日はそれを来て、新しい保護者の、フロル・リシャールという人に会いに行こうと思う。
 施設の数少ない友達とお別れ会。私も思わず泣いてしまった。でも、同じハイネセンにいるんだから、会いたくなったら会えると思う。
 今夜も、私は寝れそうにない。



6月1日(土) 天気:快晴
 私は今、新しい家の、私の部屋でこれを書いている。今日という一日を
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