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愛の妙薬
第二幕その四
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遺産たっぷり持ってたわよね」
「ええ」
「それでね・・・・・・皆よく聞いてね」
 ジャンネッタはここで皆を側に寄せた。そして小さな声で囁いた。
「その遺産が全部ネモリーノに相続されることになったのよ」
「それ本当!?」
 皆それを聞いて思わず叫んでしまった。
「静かに」
 ジャンネッタはそんな彼女達を窘めた。そして再び自分の側に寄せた。
「まだ皆に言っちゃ駄目よ、あくまで私達だけの秘密」
「いいわ」
 皆彼女のその言葉に頷いた。
「今やネモリーノはこの辺りで一番の大金持ち、結婚するなら今よ」
「性格はいいしね」
「頭は回らないけれど」
 彼女達はそんな話をコソコソとしていた。そしてネモリーノを探しにその場を後にした。
 その時ネモリーノはベルコーレから得た二十スクードの金でドゥルカマーラから金のぶんだけの薬を貰った。そしてそれをすぐさま飲み自宅のすぐ側にいた。
「これでもう問題はない筈だ」
 彼は顔を真っ赤にしていた。
「先生も太鼓判を押してくれた、どんな美女でも僕に惚れる、って。お金を手に入れた介があるってものだ」
 薬の力を信じて疑わなかった。
「すぐここを出ていかなくちゃならないんだ。すぐに」
 そして自分の家を見た。
「御前ともお別れだな。辛いよ、本当に。だけれど」
 ネモリーノは悲しそうな顔で言葉を続けた。
「僕にはこうするしかなかったんだ、こうするしか。だから許しておくれ」
 そしてまた薬を口にした。そうでないとやっていられなかったのだ。
 塞ぎ込むネモリーノの所に娘達が顔を出してきた。
「いたわ」
 先頭をいくジャンネッタが彼女達に対して囁いた。
「用意はいいわね」
「ええ」
 彼女達はそれに対して頷いた。そしてネモリーノの前にやって来た。
「ねえネモリーノ」
 そして彼に声をかけた。
「何だい?」
 彼は赤い顔で彼女達を見上げた。
「見た、この顔」
 ジャンネッタがそれを見て娘達に言った。
「ええ、見たわよ」
 彼女達もそれに頷いた。

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