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愛の妙薬
第二幕その二
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ラはそんな彼を励ます言葉をかあけた。だがネモリーノはそんな言葉は耳に入らないようであった。
「あの、先生」
 彼はアディーナの方をチラチラと見ながら口を開いた。
「今すぐに愛される方法はありますか?」
(何かあったようじゃな)
 ドゥルカマーラはそれがアディーナのことだとは知らない。だが彼の沈んだ様子を見て相変わらず恋煩いだとはわかった。
(どうせ間の抜けたことでもしでかしたのじゃろう。やっぱりこの若者は尋常でない間抜けじゃな)
 そう思いながらも彼はネモリーノの相談に乗ることにした。自分の利益になるように。
「ではあの薬をもっと飲みなされ」
「それで彼女に愛されますか?すぐに」
「うむ、すぐにな」
(もうすぐこの村とおさらばじゃ。好きなだけホラを吹いておくか)
 内心クスクス笑いながら答える。
「それでたちどころに女の子達に取り囲まれますぞ」
「よし」
 ネモリーノは決めた。そして申し入れた。
「先生、もう一瓶!」
「わかりました」
 そして彼は右手を差し出した。
「お代を」
「うっ・・・・・・」
 ネモリーノはそれを聞いて言葉を詰まらせた。
「今持ち合わせが・・・・・・」
「では持って来なされ。酒場で待っておりますからな」
「本当ですか!?」
「さっきも言いましたがわしは嘘は言いませんぞ」
「わかりました」
 ネモリーノはそれを聞いて大きく頷いた。
「では酒場で待っていて下さい。すぐにお金を持って来ます!」
 そして彼は走り去った。
「やれやれ」
 ドゥルカマーラはその後ろ姿を見送って肩をすくめた。
「気はいいがどうも頭の回転が鈍い御仁じゃのう。あれでは後々苦労するじゃろうな」
 そう言いながらもネモリーノが気にいりだしていた。
 そんな彼を少し待ってみる気になった。彼はゆっくりと席を立った。その前ではアディーナが公証人にサインを少し待ってくれるよう主張していた。

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