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ソロモン会戦記 
第一部
第一章
宇宙要塞ソロモン
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大挙して侵攻してきた連邦軍を一網打尽にし、反攻の意図を挫いた方が、それ以後の戦争を優位に戦えるのでは無いかとの意見が、グリューネマン小将より出されると指令部の方針は決まった。
純軍事的に見た場合、投機性の強い危険な作戦が通ったのは、司令官ドズルの人となりが、多分に影響しているだろうが、彼らにはそれだけの能力、実績を充分過ぎる程に持ち合わせているのである。
彼らは連邦、ジオンの双方を通じて、最も高潔で剛胆な集団であり、皆が勇者であった。
忌避されるは惰弱と怯堕であり、賞賛されるは勇気と高潔であった。
そして望むべく物はただ一つ、勝利である。
「宇宙攻撃軍に臆病者と弱者はいない!諸君らの言や好し。来たる、ここソロモンでの連邦との戦いこそ、我等宇宙攻撃軍にとっての決戦となろう。完勝を期す為、関係各部はこれより作戦準備を行いたし!本職は諸君等の勇気と忠誠に感謝する。掴むべきは勝利である。圧倒的な勝利である。ジークジオン!」

そう締めくくったドズルに呼応して、一斉にソロモン各所より、ジークジオンの声が挙がる。ドズル・ザビ中将は兄であるギレン・ザビ総帥とはまた違った意味で、扇動者としての才能があった。彼の言葉で兵は奮いたち、喜んで死地に赴くのである。

ソロモンに響きわたるジークジオン。その声はソロモン宙域全体を多いつくすが如きであったと言う。
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