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魔王の友を持つ魔王
§17 新たなる刺客達、もとい転校生&居候
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からすると魔術結社本部からの要請か何かだろう。エリカも赤銅なんとかの魔術結社所属だった筈だし。それの対抗馬かなんかと予想できる。それを頭の隅に置いて観察すれば彼女と護堂の関係は主従関係に見えるし。だから、このフラグが恋愛フラグかどうかは微妙なラインではないだろうか。こんな微妙なフラグにまで噛み付いていたらこっちの精神が持たない。

「フラグが本物になったら噛み付けばいいや。護堂頑張れ〜」

「応援するなら助けてくれ!!」

 自分には関係ないとばかりに気楽にエールを送る黎斗。護堂の訴えは右の耳から左の耳へ抜けて行った。





「…………」

「あ、れーとさん。やっほー」

「……………………」

 放課後。護堂に”護衛”として連行された黎斗は、この学校にいない(・・・・・・・・)筈の人物(・・・・)と会ってしまった。

「……え゛?」

「あー、そういえば黎斗も”そっち側”なのよねぇ……」

「……なんでこんなことになってんの」

 かろうじて、それだけを絞り出す。困惑した様子の護堂より、達観した様子のエリカに聞いた方が早そうだ。

「……黎斗が知らない、といことはこれは総意ではないのね」

「総意って何よ。っーかこれ何よ。どうなってんのか説明を求めるッ!!」

「うんとねー、恵那は祐理が草薙さんのお「恵那さん!?」……えー、別にいいじゃん」

 慌てる祐理に口を塞がれた恵那は不満そうに口を閉じる。心底残念そうな顔だ。

「大体わかった。……僕はまーた、惚気に巻き込まれたワケね。いい加減滅びろハーレム男」

「なんで矛先が俺に来るんだよ!? 絶対おかしいだろ!!」

 護堂の決死の訴えを脳内裁判所は満場一致で否決する。恵那がだいぶ前に言っていた友達の手伝いとはおそらくこれだろう。須佐之男命|(というか古老の面々)が恵那に手伝わせる用事なんてそんなに多くはない筈。数日で済むような簡単な用事なら長々と黎斗の家に宿泊させる必要など無い訳で。つまりめんどくさい又は長期戦を覚悟する必要があったということ。恵那が来た時期もおおよそ護堂の存在が公に明るみに出たころだ。時期も一致する。

「おかしくありませんー」

 祐理をちらりとみやるが、顔を真っ赤に染めた彼女は恵那の方に注意を向けていてこちらに気付く様子はない。純真無垢とはやはりよいものだ、などと頭の隅でバレたら周囲の人間に侮蔑されそうな煩悩を全開にする黎斗。

「にしても、このお茶、おいしいねぇ。こうやってまったりお茶を飲むのは久しぶりだわ。いつも冷やした麦茶だったからね」

「だーかーら、恵那がお茶入れるよっていつも言ってるのに。お湯を沸かすところからやるのと麦茶のパックを入れ物に投げ込むのじゃ味に違いだって出る
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