暁 〜小説投稿サイト〜
対決!!天本博士対クラウン
第四十話

[8]前話 [2]次話

                   第四十話   六人の力
「いいでしょうか」
「は、はい」
 六人は先生の言葉に耳を澄ます。その言葉を待つ。
「貴女達は一つになって」
「一つになって?」
「そう、魔法を一つにするのです」
 六人に対して言葉を続ける。
「そうすればお星様になります」
「お星様が。あたし達の魔法が」
 華奈子は先生の言葉を聞いて呟いた。
「お星様になるのね」
「そうね」
 それに美奈子が応えて頷く。
「皆の力を合わせると。そうすれば」
「あの博士にだって」
「天本さんですよね」
 何と先生も博士の名前を知っていた。
「あの人は。素晴らしい人です」
「素晴らしいのかな」
「さあ」
 幾ら先生の言葉とはいえ流石に素晴らしいというのには懐疑的だった。博士の破天荒さと滅茶苦茶さは六人も知ってしまったからだ。
「異常っていうか」
「そうよね」
「何度かお手合わせしたことがあります」
 澄んだ笑みで何気にとんでもない発言を出してきた。
「今度は貴女達が。けれど一人では」
「はい」
 美奈子が強い言葉で頷く。六人を代表するかのように。
「あの博士には対抗できません。ですから」
「そうよね」
 華奈子も言う。そうして美奈子の言葉に頷く。
「じゃあ決まりね。これからは」
「六人で」
「おわかりですね」
 先生は意を決した六人の顔を見てまた言う。その優しい笑みで。
「そうしてきっと」
「やりますっ」
「絶対に」
 華奈子と美奈子だけではない。六人の言葉が完全に重なった。
「きっと。ですから」
「明日から。忙しくなりますね」
「けれど。それがいいんです」
 華奈子は受け入れる。それが彼女達の望みだからこそ。
「あの博士を止めますよ」
「絶対に」
「頑張って下さい」
 こうして六人の特訓がはじまることになった。意を決した彼女達に恐れるものはなかった。しかし彼女達だけのことではないのだ。相手もいるのだ。
 災厄は着々と復活の用意をしていた。それに気付く者はまだ誰もいなかった。



第四十話   完


                  2007・8・29
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ