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少女1人>リリカルマジカル
第一話 幼児期@
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た。正直、まさか本当に叶えてくれるとは思っていなかった。なので、叶えてくれた死神にぶつぶつ文句を言われました。一応、世界観は壊さないようにしたよ?

 それに転移があれば、すぐに家に帰れるし、危なくないし、いっぱい世界を見て回れると思った。冒険の過程を楽しみたいなら、転移を使わない様にすればいいだけだし。俺はいろんな所を放浪したいだけでサバイバルをしたいわけじゃないから、野宿する気もさらさらないしね。死神には本気で呆れられたけど。


 そして、なんだかんだで転生した俺は、地球とは関係ない『ミッドチルダ』という次元世界に産まれた。優しい家族に、明るくかわいい双子の妹。あとはただ自分の夢を叶えて、そんで大切な家族と一緒に幸せに生きていけたらそれでよかった。それだけでよかったんだ。


 原作を知らなければ、こんな思いをしなくてよかったのかもしれない。

 でも原作を知らなかったら、俺は間違いなく全てを失ってしまっていただろう。


 俺という存在が、俺の思いが、原作の全てを狂わせることになる。たくさんの人を不幸にしてしまうだろう。下手すれば俺の行動で、最低でも世界の一つが滅んでしまうかもしれない。俺がやろうとしていることが、間違っていると言われるのかもしれない。原作をあまり知らない俺でさえも、わかることなのだから。

 それでも、例えそうなってしまったのだとしても―――


 ……たった1人の少女を救いたいと、幸せな未来を守りたいと思う俺は、歩みを止めることはないのだろうな。



******



「それでは、たまご三・三・七拍子! そーれ」
「たまたまご! たまたまご! たまたまたまたまたまたまたご! ……あれ?」
「たまちゃんがまたちゃんにチェンジなう」
「も、もう一回! 今度はできるもん」
「ならばお兄ちゃんとも勝負だ。どっちがたまご応援団長に相応しいかな?」

 2人でちゃぷちゃぷと温泉に浸かる。卵をぷかぷか浮かべては、それを突いて遊ぶ妹。少しの間温泉でふやけていた俺だったが、暇になったので卵ソングを熱唱していた。現在妹も参加して、卵協奏曲第10番(作詞・作曲俺)で勝負する流れとなった。俺の卵愛が火を吹くぜ!

「「たーまたまたまたまたまたまだっ、……うぎゅぅッ!!!」」

 一緒に舌を噛んでしまって悶絶する双子。さすがは双子。


 その後、周りの人に呆れられながらも、慰めてもらいました。ついでに勝負に夢中になりすぎたことと、痛みの衝撃で卵の存在が Good Luck していたことで、気づけば卵が若干パサっておりました。

 ……あちゃー。


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