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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第六話 キフォイザー星域の会戦(前篇)
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ヘルムート・レンネンカンプ提督とカール・ロベルト・シュタインメッツ提督です」

黒姫が横にずれて場所を譲ると二人が前に出た。敬礼をしてくるのでこちらも答礼する。
「ヘルムート・レンネンカンプ少将です。旗下の一翼にお加え下されば光栄です」
「カール・ロベルト・シュタインメッツ少将です。小官もレンネンカンプ少将と同じ思いで有ります」

「御二人を心から歓迎します。元帥閣下も御喜びでしょう」
「喜んでいただけた様でなによりです。御二人の艦隊は少し離れた場所に在ります。閣下に誤解をされてはいけないと思い此処へは私の艦で来ていただきました」
「そうですか、色々とご配慮いただき有難うございます」
黒姫がにこやかに微笑んでいる。レンネンカンプ、シュタインメッツ両提督も嬉しそうだ。

この二人が加わったのは間違いなく嬉しい、ラインハルト様も喜んでくれるだろう。だがそれに黒姫が絡んでいるとなれば話は別だ。おそらくは顔を顰めるに違いない。また点数を稼がれた……。

「大丈夫ですよ、レンネンカンプ提督、シュタインメッツ提督。キルヒアイス提督の顔色が優れないのは御二人の所為じゃありません。私の所為です、そうでしょう?」
ギョッとした。周囲を見渡すと皆が私を見ていた、そして黒姫が可笑しそうに私を見ている。

「何を、一体」
「私が御二人をローエングラム侯の御味方に勧誘した。つまり私が功を上げた、それが面白くないのです。ローエングラム侯は軍人としては大変素晴らしい方で私も尊敬しているのですが金銭に関してはちょっと……」
そういうと黒姫はクスクス笑った。ルッツ、ワーレン、ビューロー、ベルゲングリューン、皆がバツの悪そうな顔をしている。そして黒姫の部下は軽蔑するかのような視線で私を見ていた。

「私達は海賊ですので報酬は金銭で頂くのですが前回の戦いでは非常に嫌な顔をされました。御二人は大丈夫です、軍人ですからね。昇進、勲章、ポストで十分に報いてくれるでしょう。評価も正しくしてくれますよ、海賊でも功を上げれば第一位と認められたのですから」
レンネンカンプ、シュタインメッツが曖昧な表情で頷いている。いけない、しっかりしないと。ラインハルト様をケチだ等と、心が狭い等と周囲に思わせてはいけない。

「黒姫の頭領、なにか誤解が有るようです。私は頭領が御二人を味方に付けてくれた事を大変嬉しく思っています。この事は私から元帥閣下に必ず報告します、元帥閣下もきっと頭領の働きを喜んでくれるでしょう」
私の言葉に黒姫がにっこりと笑みを浮かべた。笑うな! お前が笑うと碌な事が無い。

「失礼な事を申し上げました、お許しください」
黒姫が頭を下げた。そうだ、お前は失礼なのだ。黒姫が頭を下げているのを見ると胸がすっとした。黒
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