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おぢばにおかえり
第八十話 教会の仕組みその二十九

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「そうした人は全肯定して悪口言わないわね」
「僕はそうですね」
「いいことしか言わないわね」
「はい、自覚しています」
「そうした人も悪い部分はあるから」
 こう言いました。
「ちゃんとね」
「そうしたところもですね」
「見てね」
 そうしてです。
「公平に評価してね」
「そうすることがいいんですね」
「進一君嫌いな人以外には普通だけれどね」
 新一君を見ているとそうした接し方です。
「公平で」
「差別大嫌いですから」
「それならよ」
 差別が嫌いならです。
「余計によ」
「嫌いでもですか」
「普通に接しないと」
 こう言いました。
「駄目よ」
「僕贔屓も嫌いですが」
「そのまま贔屓じゃない」
「嫌いだと徹底的に嫌うとですか」
「あることないこと言い回るなんてね」
 贔屓以前にです。
「やってはいけないことだし」
「それも差別でしょうか」
「別に人種や宗教やお仕事で差別してないみたいだけれど」
「部落差別なんか大反対です」
「そうなのね」
「はい、奈良県にいますと」
 真面目に言ってきました。
「どうしても聞きますが」
「差別は反対なのね」
「それで贔屓も」
「その考えはいいけれど」
 それでもです。
「嫌いな相手でもね」
「露骨に嫌わないことですか」
「それは差別と同じよ」
「贔屓ともですか」
「そうよ」
 まさにと答えました。
「もうね」
「やっぱりそうなりますか」
「わかってるじゃない」
 自分で、です。
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