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星河の覇皇
第八十六部第三章 学園の理事長としてその十九

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「見抜いてだ」
「投票をせずに」
「そうしてだ」
「落選させることですね」
「そうだ、自国第一と言っても」
 そう言って国益を主張してもというのだ。
「大事であることはだ」
「確かな国益ですね」
「短期的に国益を得ても意味がない」
「かつそれが狭くても」
「それはだ」
 まさにというのだ。
「国益にならない」
「広い意味では」
「例えば連合から日本が脱退する」
「それが国益になると主張してですね」
「実際に脱退すればどうなる」
 その時はというのだ。
「一体」
「各国から日本市民はいられなくなり」
「連合のあらゆる国と仕事が出来なくなる」
「また法律の保護外に置かれます」
「市民も日本という国もな」
「そして各国の武力行使も有り得る」
「これで日本がもつ筈がない、いや」 
 八条はその整った黒い目を鋭くさせて言った。
「連合のどの国もだ」
「もつ筈がないですね」
「そうなる、だからだ」
 それでというのだ。
「これは極端な例だが」
「するものではないですね」
「連合から脱退した国は存在しない」
 この千年の間、建国以来のことだ。
「そこにいれば様々な問題があるしろだ」
「巨大なメリットが存在します」
「連合はそれ自体が巨大な経済圏だ」
「その経済圏の中で自由に行動が出来る」
「これだけで全く違う」
「かなりの利益を得ます」
「だからだ」
 それでというのだ。
「この国にいること自体がな」
「巨大な利益であり」
「そこから出ることはな」
「ないですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「普通はな」
「左様ですね」
「主張した政治家も殆どおらず」
「支持も得られませんでした」
「だが可能性としてだ」
「そうしたことを言う人物もですね」
「存在していたしな」 
 過去、というのだ。
「それで発言があまりにも過激でかえって注目され支持を得てな」
「大きな力を得る」
「それが有り得るのも民主主義だ」
「支持を得らえるとですね」
「それで力になるからな、ヒトラーもそうだったしな」
 彼もというのだ。
「民主政治の下で出て来たな」
「そうでしたね」
「ユダヤ人や共産主義者、他国への憎悪を煽りな」
「人気を得て」
「そうしてだったな」
「ヒトラーはあそこまでなりました」
「よく聞くと出鱈目な主張でそれは長期的には国益を損ねる」
 そうした政策を掲げていてもというのだ。
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