暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十六部第三章 学園の理事長としてその十六

[8]前話 [2]次話
「容易にな」
「そうしたものですね」
「そして知能指数や運動能力はさらにだ」
「容易に変わりますね」
「訓練次第でな」
「個人のそれで」
「実に簡単に変わる」
 そうしたものに過ぎないというのだ。
「結局な」
「では連合市民が優秀というのは」
「大差ない、同じ人間だからな」
「同じ人間ですか」
「白人至上主義は何の根拠もなかった」
 十九世紀欧州を支配していたこの人種論はというのだ、この論は実際にこの時代では根拠のないものと確証されている。
「白人至上主義を科学的に証明しようとするとな」
「それは全て黄色人種になりましたね」
「彼等が蔑視していた筈のな」
 有色人種としてだ。
「実際に知能指数では二十世紀後半アジア系国家は欧州各国を凌駕していた」
「それが現実でしたね」
「運動能力でも同じだった」
「そちらはアフリカ系によって」
「そうなっていた、しかし白人が劣っていたか」
「それも違いましたね」
「やはり個人の努力でな」
 それでだったのだ。
「どうにもなった」
「そうしたものに過ぎなかった」
「それは今も全く変わらない」
「我々が人間であるので」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「そうなる」
「エウロパ人は劣っていない」
「我々と何の変わりもない」
「そうした能力を持っていますね」
「だから侮ることはだ」
 それこそというのだ。
「大きな間違いだ」
「若し侮れば」
「それは大きな失態につながる」
 それにというのだ。
「最悪敗北もな」
「有り得ますか」
「そうだ、そうなるからな」 
 だからだというのだ。
「何があってもだ」
「エウロパ人を侮らないことですね」
「それは大きな間違いだ」
 まさにというのだ。
「私もそれはしない様にしているしだ」
「軍にもですね」
「言っている」
 それも常にだ。
「その様にしている」
「そうだ、あの国は確かに人口も国力も我々より遥かに劣るが」
「それでも侮れないですね」
「とてもな、そして特にあの総統殿はな」
 ギルフォード、彼はというのだ。
「そうだ」
「優れた人物ですね」
「そのことを認識することだ」
 まさにというのだ。
「そしてその政策に対することだ」
「それが肝要ですか」
「そう考えている」
 八条としてだ。
「中央政府も各国政府もな」
「どちらもですか」
「もっと言えばそれぞれがバラバラに対していては」
 そうすると、というのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ