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夢幻水滸伝
第三百四十四話 奇策破りその十

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 トウェイン優勢だがデリーロを崩せずだった。
 一騎打ちの間にデリーロの軍は中央に退いた、彼はそれを見てだった。
「ほなまた」
「自分も退くか」
「そうさせてもらいます」
 こう言ってだった。
 転移の術でトウェインの前を去った、トウェインはそれを見届けて後ろにいる自分が率いる将兵達に言った。
「ほなな」
「これよりですね」
「進撃ですね」
「それを再開しますね」
「そうするで」
 冷静な声で応えた。
「ええな」
「わかりました」
「では街の中央に向けて進みましょう」
「そうしましょう」
「この大通りをな、幸い市民は何もしてこん」
 見ればそれぞれの家の中から戦局を見守っているだけだ、誰も出てこない。
「それやとな」
「彼等には手を出さず」
「そうしてですね」
「進撃しますね」
「そうするで」 
 彼等に攻撃を加えることなくというのだ。
「ええな、ゲリラには攻撃するが」
「逆に言うとゲリラでないならよし」
「一切攻撃しない」
「そうしますね」
「デリーロも市民には戦に参加するなって言うてるな」
 これはこの世界の星の者が不文律として守っていることだ、戦はあくまで正規の軍人同士で行うものということだ。これは星の者でなくともまともな者ならこの世界に最初からいる者達も同じことである。
「有り難いことや」
「はい、市民まで戦に加わりますと」
「ゲリラやパルチザンになるとです」
「これ程厄介なことはありません」
「最悪の事態の一つです」
「ただ通りがかった市民がいきなり後ろから撃って来る」
 トウェインはゲリラ戦で怒ることの一つを話した。
「そうなるとな」
「気が休まりません」
「そして市民を敵かと疑心暗鬼で見てしまいます」
「そこから無差別攻撃に至りかねません」
「非常に危険な状況です」
「そこから無差別攻撃に至ります」
「そうなりかねんからな」 
 だからだというのだ。
「絶対にな」
「そうしたことはですね」
「避けますね」
「そして市民が攻撃してこないなら」
「我々もですね」
「何もせんわ」
 一切というのだ。
「それでええな」
「わかりました」
「その様にしていきましょう」
「我々もまた」
「市民は攻撃しません」
「彼等が静かですので」
「そうするで、ほなこのまま進むで」
 トウェインは自ら命じた、そうしてだった。
 一路街の中心部市庁舎のあるそこに向かった、彼の軍も続き大軍は街の要所を占拠していった。その状況を見てだった。
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