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金木犀の許嫁
第二話 相手から来たその七

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「忍術とはね」
「無縁ですね、ただです」
「ただ?」
「忍術は応用が利きます」 
 そうしたものだというのだ。
「どんなスポーツにも」
「瞬発力とか持久力高めるから」
「長い時間速く駆けられる様にしまして」
 そうした修行をしてというのだ。
「跳躍力もです」
「ジャンプね」
「高める様にしますので」
「スポーツに応用が利くのね」
「はい、水泳もです」
「忍者って泳ぎも出来ないと駄目よね」
「泳げませんと」
 そうであるならというのだ。
「とてもです」
「忍者やれないのね」
「水遁の術もありますね」
「有名よね」 
 夜空もそれはと応えた。
「五遁の術っていって」
「そのどれも出来ないと」 
 さもないと、というのだ。
「忍者として駄目なので」
「水遁の術もで」
「それには泳ぎが絶対に出来ないと」
「駄目ね」
「お水の中に入って」
 白華はその術のことをさらに話した。
「筒で呼吸をしつつ隠れますね」
「漫画でもあるわね」
「そうした術が出来る様になる為にも」
「泳げないと駄目ね」
「勿論兄も泳げます」 
 その彼もというのだ。
「私もです」
「忍術やってるから」
「はい、いつも修行していますので」
 それ故にというのだ。
「励んでいます」
「凄いわね」
「凄くないです、それが普通なので」
「ご本家だと」
「それにいい運動になりまして」
 その修行がというのだ。
「いいストレス解消に健康にもです」
「いいのね」
「ですから」
「白華ちゃん忍術好きなの」
「はい、ただ」
「ただ?」
「昔はです」
 夜空にこう前置きして話した、見れば今はデザートの柿をスライスしたものを食べても浮かない顔である。
「絶食もです」
「修行にあったの」
「忍者は時には何日も隠れて」
「食べないこともあるから」
「絶食の修行もです」
「あったのね」
「はい」
 そうだったというのだ。
「恐ろしいことに」
「忍術の修行って物凄く身体動かすわね」
「はい」
 そうだとだ、白華は素直に答えた。
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