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ヤザン・リガミリティア
獣の安息 その4
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ですよエリシャさん!

このウッソはね、大人顔負けのスペシャルって奴でね!

いやぁ〜でもこんなでも意外とピンチになる事多いんすけど、

その度に俺が命懸けでサポートしてやってザンスカールを倒してんだ!な!ウッソ!」

 

トマーシュからウッソを分捕って肩をバンバンと叩く。

ウッソは「うげっ」と小さく苦悶していた。

 

「…感謝はしてますよ、オデロさん」

 

「ははは、そうだぜウッソ!そういう感謝の心ってチームワークには大事だよ!」

 

わははと笑うオデロを、ウッソはジト目で見ているが、

そういう目で見ているのはウッソだけじゃない。

後ろでウォレンとスージィ、それにシャクティが犬と緑のボールと赤ん坊と一緒にジト目だ。

 

「あたし達だって手伝ってんですけどー」

 

スージィが頬を膨らませ、ウォレンも腕を組んでウンウンと頷く。

危険なことをそもそもして欲しくないシャクティにとっては武勇伝でもなんでもない。

しかし、戦争の手伝いをしているウッソを助ける事は、ウッソの命を助ける事に繋がる。

シャクティは背中のカルルマンをあやしながら、

複雑な顔でウッソを見つめるしかできないのだ。

 

「オデロだけじゃないぞ。俺も義兄さんを手伝ってるんだ!

ヴィクトリーの整備だってさ、してるんだぜ!」

 

そして赤髪の青年がオデロと一緒にウッソを挟んで肩を組むものだから、

シャクティは色々な意味で尚更頭が痛い。

 

「クロノクル…やめなさい。戦争自慢なんか」

 

「うっ…ご、ごめんよ、姉さん」

 

批難がましく赤髪の青年・クロノクルにシャクティが言えば、彼はすぐにしおらしく肩を落とす。

その奇妙な光景を、ハイランドの子供達は目をパチクリとさせて眺めていた。

小声でマルチナがスージィへと尋ねる。

 

「ねぇねぇ、あれってどういうこと?」

 

「あー、あれね。クロノクルくんは戦争の後遺症で頭とか心がおかしくなっちゃって…

年下のシャクティをお姉さんって思うようになっちゃったの。大変だよね〜。

でも悪い人じゃないし、慣れれば面白いんだよ!優しいし」

 

あっけらかんと子供の口で紡がれているが、戦争の悲惨さが生んだ狂った人…

それがクロノクル・アシャーだ。

そして、リガ・ミリティアの子供達は大なり小なり、

良くも悪くも戦争の狂気に順応し始めている。

実際、どんなコロニーでも躰や精神に戦争被害を被った人間は珍しくない。

クランスキー姉妹も、マサリク兄弟も、イエリネス姉弟も顔を顰めたが、

誰もが「そういう時
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