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年末の居酒屋
第二章

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 目が回る様に働いた、そうして何とかクリスマスを乗り切ったが。
 新年へのカウントダウンがはじまってもだった、客は多く忘年会の団体は出ていて注文も桁外れであり。
 バイトの店員達は遂にこんなことを言った。
「何時まで続くんだよ」
「うちの営業三十一日までだけれど」
「その日までこうなのかよ」
「そうだよ、忘年会はその日まで入ってるから」
 後藤田はまた彼等に話した。
「宜しくね、大晦日まで」
「そうなんですね」
「もうこの調子なんですね」
「最後の最後まで」
「そうだよ、けれど大晦日で終わりだから」
 それでと言うのだった。
「頼むよ」
「わかりました」
「お金貰ってますし」
「頑張っていきます」
 彼等もそれならと頷いてだった。
 そのうえで最後の力を振り絞る様にして働いた、そしてだった。
 遂にだ、三十一日が終わり。 
 後藤田は笑顔でだ、店員達に言った。
「今年もお疲れ様、じゃあこれでね」
「終わりですね」
「修羅場は」
「そうなりましたね」
「うん、よいお年を」
 全ての店員達当然バイト学生達を含む彼等に笑顔で告げた、こうして年末の死闘は終わりバイト学生達も休息に入った。
 だが元旦は休日だったが。
「二日から仕事で」
「今度は新年会ですか」
「そっちで忙しいんですか」
「そうだよ、また稼ぎ時だから」
 後藤田は一日休んだだけで店に来た彼等に笑顔で話した。
「宜しくね」
「わかりました」
「もうこうなればやります」
「最後まで」
「頼むよ、こうした仕事だからね」
 こう言ってまた自ら率先して働く、そうしてだった。
 店は新年も忙しかった、だがバイト達はその中で後藤田と共に果敢に働いた。そうして言うのだった。
「忙しいけれどな」
「やりがいあるよな」
「ああ、大変でもな」
 働きつつ活き活きとした顔で話した。
「それじゃあな」
「新年も頑張るか」
「そうしていくか」
 こう話して働いていった、そしてバイト代を得て今度は自分達が客として店に来て後藤田の真面目な接客に心から喜んだのだった。


年末の居酒屋   完


                   2022・11・18
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