第五百一話
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第五百一話 戦うことは
カーミラにだ、タロとライゾウが尋ねた。
「あの、何かね」
「あんた戦う気ないって言うけれどな」
「それで血も吸わないんだ」
「そうなのかよ」
「実は私は戦いは趣味ではないわ」
カーミラは二匹に自分の使い魔達が持って来る料理を口にしてワインを優雅に飲みながら上品に答えた。
「文化的なことは趣味だけれど」
「読書とか音楽とか?」
「あと観劇とかか」
「あと旅行やお散歩もね」
こうしたこともというのだ。
「趣味よ、そして可愛い女の子もね」
「好きなんだ」
「そうなんだな」
「だから戦いはなくてもね」
それでもというのだ。
「困らないわ」
「そうなんだね」
「好戦的かって思ったらな」
「違うわ。日本にいてもね」
それでもというのだ。
「こうしてよ」
「飲んで食べてか」
「楽しめればいいんだな」
「そして血を吸わなくても」
今度はこちらの話をした。
「ワイン特に赤ワインがあればね」
「栄養を摂れるんだね」
「血を飲んだ場合と同じだけ」
「そうよ、ワインを飲めば」
実際にそうしながら話した。
「それだけ摂取出来るし味もね」
「好きなんだ」
「ワインのそれもか」
「だからね」
その為にというのだ。
「血を吸うこともよ」
「しないんだ」
「別にいいんだな」
「そうよ、だから安心してね」
二匹に微笑んで答えた。
「私はそうした吸血鬼だから」
「ううん、警戒していたけれど」
「嘘は言ってないしな」
「そのこともわかるし」
「その必要はねえか」
二匹でも話した、そうしてだった。
二匹も他の魔女の使い魔達も警戒を解いた、そしてそれは主である魔女達にも及んだ。
第五百一話 完
2022・8・28
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