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少女は 見えない糸だけをたよりに
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 年が明けて、新年のお祝いをしてから、平安神宮に皆でお参りに行ってきた後、巧を招いていた。お父さんも、もう、家族同様なんだからと呼んだのだ。

 私とお姉ちゃん、お母さんも着物で迎えた。巧はスーツ姿で来たのだ。やっぱり、私は門扉の前まで迎えに出ていた。門の両脇には、松の〆飾りが・・以前は門松を置いていたという話だ。

「巧 年が明けたね いよいよ 今年 巧のお嫁さんになれるんだね」

「うん 幸せになるんだからね」

「うふっ 今さらなんだけど 私、お嫁さんとして ちゃんと出来るか ちょっと 不安 ずーと 一緒だと 喧嘩することもあるんじゃぁないかとか」

「考えすぎだよ そりゃぁ 口喧嘩くらいはあるだろー だけど、香波のことは愛してるから・・」

「巧 ねぇ キッス」と、せがんでいった。

「ここでかー 誰かー 見られるー」と、言っている巧に唇を合わせていった。


「うん 巧君 よく来てくれたな。いろんな人に会うから、感染対策に気を使って 大変なんだろう?」

「ぇえ でも、出来るだけ 会わないようにして オンラインとか 離れてしゃべるとかですかねー 帯屋さんの方も お客様相手ですから大変なんでしょ?」

「そーだな 来店の人は居なくなった だけど、燿が通信販売とか海外にも広げてくれているんで、何とか、繋いでいる 大変な世の中だ まぁ 今日は、ゆっくりしていってくれ なんなら、泊ってもいいぞー」

「お父様 飲む相手にお呼びしたみたいね ほどほどにね」と、お姉ちゃんがお母さんに代わって釘を刺していた。だけど、私は、お姉ちゃんこそ ほどほどにねと思っていた。

 最初は、ビールで始まって、お父さんが私にも勧めてきたので、最初の1杯だけ。でも、その後はお酒になって、お姉ちゃんはワインを持ち出してきて、私にも継いできていた。そして、お姉ちゃんは殆ど1本ひとりで空けてしまって

「ねぇ 巧ちゃん 学内で初めて香波に出会った時 見ても無視して気づかなかったんだって?」

「うーと そーだったと思います 可愛い娘だとは思ってたんですけどー」

「香波から聞いてるんだからー 香波が眼の前に行って、はずめて 気づいてくれたってー」

 危険。お姉ちゃんは、もう、呂律が怪しかった。

「はぁ でも、僕の知っている香波は日焼けして、真っ黒な男の子みたいな娘だったんですからー それに、あんなとこで・・まさかと思いましたよー」

「うふふっー あん時 香波は 精一杯 可愛くしとったんだよー すんべてをぶつける気持ちでね んにゃー 香波」

「お姉ちゃん 私 そんなに・・」もう、お姉ちゃんは酔って怪しかった。だけど、少し、危ない足取りで、もう1本取りに行こうとしたので、お母さんが

「燿 まだ 飲む
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