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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです
第2章 天狼島編
第10話 vsアクノロギア
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背中から聞こえる仲間の叫びを、アレンは黙って聞いていた。
だが、その叫びの中、一際響く声があった。その声が、エルザの声であることを、アレンはすぐに認識する。
ゆっくりと後ろを振り向く。
激しく揺れる、長い緋色の髪の毛が目に映る。ジェラールに抱きかかえられ、エルザはアレンに向けて手を伸ばしていた。これで、仲間に直接的な危険が及ぶことはない。あとは、なるべく早く、なるべく遠くへ逃げてくれれば、巻き込むこともない。
「ごめんな…さようなら…」
アレンは、そうして小さく呟く。許してもらえるなどとは思っていない。だが、もしも…と、思い、呟いたのだ。
視線をアクノロギアへと移す。
先ほどのアレンの反撃によって崩された体勢は、すでに整っており、静かに鎮座していた。
「先ほどまで感情を?き出しにしていた割には、ひどく落ち着いているじゃないか」
「…あーでもしねーと、逃げねーからな…」
「ふん、とんだ役者だな、うぬは…だが、全てが演技というわけでもなようだが…?」
アクノロギアは、アレンを挑発するように言葉を放つ。
「もちろん、お前から守るっていうのは間違っちゃいねーよ…だが、何より…」
アレンの身体が、光に包まれる。すると、ラフな服装だったアレンの身体は、黒い防具へと変化する。
――【ナルガX装備】。
「俺の攻撃に巻き込んで、死なせるわけにいかねーだろ?」
背中にも細長い光が生まれる。光が収まると同時に、柄に手を掛け、長い刀を抜刀する。
――無明刀【空諦】。
その長い太刀の切っ先を、アクノロギアへと向ける。
「ほう?その武具の力…足止めではなく、我を仕留めようというのか?傷を負い、魔力も枯渇しているこの状況で?…ふっふっふ、笑わせてくれる」
確かに、アクノロギアの言う通り、背中の傷はまだ完治していない。加えて、魔力に関しても、この装備一式を換装するのがやっとであり、もう別の装備に換装するだけの魔力は残っていない。残りの魔力を考えると、精々、10にも満たないアイテムを引っ張り出すのがやっとだろう。
だが、それでも、アレンは一切怯んではいなかった。
「アクノロギアよ…お前、何か勘違いしてないか?」
そういいながら、太刀を少し下げる。
「なんだ?」
アクノロギアは、怪訝そうに返す。
「俺にとってな、魔力や魔導士としての力なんてものは、おまけみたいなもんなんだよ」
「なんだと?」
「俺は元々魔力なんて持ってなかったし、魔導士でもなかった」
その言葉を聞いて、アクノロギアはこれまでのアレンとの戦いを思い出す。そうして、表情を硬くする。
そんなアクノロギアの様子を見て、アレンは理解したか、と言った目つきで、太刀を構えなおす。
「俺はな、この剣一本で、数多のモンスター、竜を狩ってきた。…モンスターハンターだ!」
アクノロギア
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