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少女は 見えない糸だけをたよりに
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大きな声で言ってきた。

 又、くるみちゃんと眼を見合わせて・・あごをしゃくってきた。

「ありがとうございます お好みに合ってます?」私は しまった余計なことを・・

「うん 好きなんだよ うまい」やっと、普通にしゃべってくれた。そして

「あのー 君は この店 1ト月くらいかなー」と

「えっ そう もう2か月以上になりますけど・・」

「そうかー もう それっくらい経つんだよな 僕が、丁度 怪我した辺り 最初 お店の前で見た時 男の子かと思った 刈り上げでね 可愛かったんだ 天使に見えたんだ 自分でも、その趣味があるんかなって・・アハッー 失礼だけど やっぱり、女の子なんだよね 声を聞くと・・ だけど、少し髪の毛が伸びたね」

 その時、くるみちゃんにクレープを渡された。私がそれを持っていくと

「その頃なんだよ 最初 僕が 店の前で何にしようか迷っていたら 君が 甘いのお好きですか と それで 甘いのはちょっとー と、言ったら、コレを勧めてくれたんだよー それから、ちょこちょことね」

「あー 思いだした ごめんなさい ごめんなさい 私 あの時 まだ 入りたてで お客さんに必死で・・ 顔もまともに見れなかったんです だから・・恐そうな人には もっと いぇ 違うんです だからー やだー 私 何言ってるんだろう ごめんなさい」

「いいんだよ 言われるのに 慣れっこになっているから それに、自分も男の子って思っていたんだから おあいこだよ」

 この人、何だろう。三口ぐらいでクレープを口にほおり込んで食べちゃった。

「うん うまかったぁー また 寄せてもらってもいいですか?」

「ええ どうぞ お待ちしています」と、私はカウンターの前に出てお辞儀をしていた。そして、表に出てからも。

「カナミ グッド なぁーんだ ぶりっこぶっちゃってさー これで、あの人はあなたの虜よ 男を惑わす妖精めー やるのー カナミ ウチも見習おーっと」

「くるみ そんなー つもりじゃー 無いよ」

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