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社内からの話
第二章

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「うちは止めなさい」
「わかりました」
 乃南は純子の言葉に頷いた、そして一旦大学の自分の研究室に戻ると教授に純子が言ったことを話した。すると。
 教授は驚いてだ、純子に応えた。
「完全な労働基準法違反じゃないか」
「そうですよね」
「僕からも調べよう、そして労働基準監督署にも話して」
「どうにかしてもらいますか」
「そんな会社は許してはおけないからね」
 穏やかな顔の教授の顔が怖いものになっていた、そしてだった。
 教授が動き純子が話した他の内定者達もだった。
 乃南の様に動いた、するとインテリアカメダに労働基準監督署から人が来て徹底的に調べ上げられてだった。
 社長をはじめ経営陣の数々の悪行が露呈しその中には横領もあり。
 逮捕者まで出て業績は瞬時に底を割ってこれまでも多かった離職者が雪崩を打って出て不倫をしていた上司もそれが家族にばれて離婚となった。
 会社は倒産目前となった、乃南はその話を聞いて今も連絡を取っている純子にラインで話した。
「森さんのお陰で助かりました」
「そうでしょ、もっとも私が実態を貴女達に話したからよ」 
 純子はラインを通じて哂って話した。
「それでよ」
「あの会社の実態が明るみに出てですね」
「ああなったのよ、もう倒産は時間の問題らしいわね」
「取引も融資もどんどん打ち切られてるらしいですね」
「自業自得よ、私もあそこでは大変な目に遭ったからね」
「復讐なんですね」
「そうしたところよ。今は私も地元のホワイトな会社で快適に働いているから」
「そうなんですね、私もいい会社に入られて」  
 乃南は自分のことも話した。
「まだ入社したばかりですか」
「快適に働けてるのね」
「はい、ちゃんとお金も出て勤務時間も確かです」
「パワハラもモラハラもないわね」
「一切、けれど一旦そうした会社に入ったら」
「大変よ。私がそうだったから」
 それでというのだ。
「貴女にも他の人にもお話したのよ」
「会社への復讐と共に」
「そうよ、私みたいな目に遭わない為にね」
「お陰で助かりました、口でいってることと実際は違うこともあるんですね」
「会社でもね、これからもそうしたことには気をつけてね」
「わかりました」
 乃南は純子の言葉に頷いた、そうしてだった。
 快適に働いていった、ブラック企業に入らずに澄んだ彼女は実に幸せであった。そして自分でもそれがよくわかっていて尚更幸せに感じて働くのだった。


社内からの話   完


                   2022・3・20
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