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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第18節「強襲」
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「──我が友イザークの火刑が、その後のキャロルの人格形成を大きく歪めてしまったのは、語るまでもないだろう」

そうして、錬金術師キャロルの師を名乗る男は、物憂げに目を伏せた。

その目には深い哀しみが。その口元には苦悩が。その拳には後悔が表れ出ていた。

こんな顔をした男を、俺はきっと知っている。

だからこそ、確かめなければいけない。

「結論、私はキャロルを止めなければならない。それが我が友への償いであり、そして彼と交した最後の約束だ」
「……どうして俺に、そこまで話すんですか?俺と貴方は初対面のはず。そこまで話して、貴方は」

俺の疑問にグリムは顔を上げ、真っ直ぐな視線を向けてきた。

「不肖。私一人では、キャロルを止められない。錬金術に於いては天才と呼ばれる私だが、その私でさえも、復讐に曇った彼女の目を覚まさせてやる事は出来なかった……。そんな彼女が今、唯一関心を寄せているのは、君たちシンフォギア装者なんだ」
「俺たちに……?」
「キャロルは、父親を死に追いやった『奇跡』という不確かな存在を強く憎んでいる。だが、君たちは自らの手で奇跡を掴んでみせた。それも一度のみならず、二度までも」

俺たちが二度、起こした奇跡。
それは、もしや……。

「エクスドライブモード……」
「肯定。ルナアタックにフロンティア事変、二度も世界を滅亡の危機から救った君達の姿に、キャロルは強く興味を抱いているんだ。それこそ、秘密裏に進める事もできたはずの計画を、わざわざ表沙汰にするくらいには」
「ッ!?」

繋がった。わざわざ火災現場で俺達を待ち受けていたのは、そういう事だったのか。

ギアの破壊のみが目的なら、黒幕自ら表に出る必要も無い。
やたら響と戦いたがっていたのも、二度も奇跡のトリガーとなった存在だったから。

キャロルにとって響は、直接自分の手で叩き潰さなければ気が済まない存在なのか……。

「そう、彼女の計画には穴がある。全容までは見えないが、私には彼女の計画が何となく掴めて来ている。もし私の推測が正しければ、この計画はもっとスムーズに進められるはずだ。私にはその穴が、キャロルからのメッセージに思えてならないんだ」
「……」
「謝意。言葉が多くなってしまったが、私が言いたいのはつまりだね……」
「キャロルの計画を止めるには、キャロルに興味を抱かれている俺達の協力が必要だ……違いますか?」
「信用出来ないのを承知で頼む。私は彼女を救いたいんだ……」

俺に向かって頭を下げるグリムさん。

会話にも態度にも、全てに誠意が込められていた。

ここまでされて疑い続ける事なんて、俺にはできない。

「分かりました。貴方を信じます」
「ありがとう。私の方からも協力は惜しまない。必ずや、キ
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