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Fate/WizarDragonknight
暴走
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っ切ろうとしている。

「美炎ちゃん……こんなの……っ!」

 可奈美は体に走る痛みを堪えながら、言い張る。

「こんなの、美炎ちゃんじゃないよ! いつもの美炎ちゃんの方が、ずっと強いよ!」
「変なこと言わないでよ、可奈美?」

 振り上げられた加州清光。

「今のわたしのほうが、ずっと強いよ!」

 漆黒に染まる加州清光。それが可奈美の命を奪おうと振り下ろされた瞬間。
 その黒い炎を、深紅の炎が突き飛ばした。

「っ!?」

 その突然の乱入に、可奈美のみならず美炎も驚く。美炎の漆黒の甲冑ごと弾き飛ばしたのは。

「ふむ。足止めされている間にこのような事態になっているとは」

 灼熱のマグマが支配する世界。それをさらに熱く感じさせる炎の模様。白い布地に描かれたそれは、地下熱による気流でふわりと浮かび上がり、その下に着用されている時代錯誤の学ランが可奈美の目に映った。

「よもやよもやだ」

 可奈美の前に立つその人物。金髪と、その毛先が深紅の。

「柱として不甲斐なし」
「……邪魔しないでよ?」

 美炎は、()へ加州清光を向ける。
 だが、それに対し、彼はすでにその剣を構えていた。

「穴が合ったら、入りたい!」

 そして。
 振るったその剣から放たれた炎は、美炎、トレギア、そしてヤマタノオロチを吹き飛ばす。

「痛いなあ……煉獄さん」
「……フン」
「煉獄さん!」
「セイバー……!?」

 その姿に、美炎は怪訝、トレギアは驚きを。ブライは無関心を。そして可奈美とウィザードは、喜びを示した。
 セイバーのサーヴァント、煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)
 日輪刀を振り抜いた彼は、ヤマタノオロチと美炎、そしてトレギアを見定めた。
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