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冥王来訪
第一部 1977年
潜入工作 その3
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は、いくらこの世の物を喰っても満たされない餓鬼、その物。
もし貴様より先に死んだ場合は、地獄で待っていてやる。
そして二度と輪廻転生から外され、牛馬の姿以下にするよう、閻魔に願い出てやろう」
FBI長官は、涼しい顔をして、男の方を向いていった
表情の割に、彼の顔面は蒼白となり、額から汗が流れ出る
「脅しですかな。まあ貴方も私も善人ではありますまい。
寧ろ女一つで、兵乱なしに、日本のような国家を左右できるのであれば、掛かる費用としては安かろうと思います」
「また例の貴族は、戦術機の技術将校と聞き及んでいます。ボーニング社のハイネマンの弟子筋になるとの話もあります」
副大統領は、右手で勢いよく机を叩いた
机の上にあるティーカップや、灰皿が揺れる
「お前たち、いい加減にしろ。
ここに居る人間は大なり小なり、《汚れた仕事》に関わって来たではないか。
違うか。
未だ続けるなら、貴様らが地獄に行った後にしてくれ」
そしてFBI長官の方を向いて、訪ねた
「其の貴族をして、米国に例の新兵器の情報を入れさせるというのか」
副大統領に尋ねられた彼は、深く頷いた後、こう告げた
「ほぼ準備は、万端です」
全員で大統領の方を向く
まるで儀式のような場面で、副大統領が尋ねた
「閣下、ご決断をお願いしたします」
大統領は、決裁書を一瞥する
筆を取ると、慣れた手つきで花押を書き、それを脇に立つ補佐官に渡した
補佐官から、決裁書が回される
継承順位に沿って副大統領、国務長官と数名の閣僚が続けて署名した
署名し終えるのを見届けると、正面を向いた
「すべては私の責任だ。処務は諸君等に任せる」
そう言い残すと、席を立ち、会議場を後にして、執務室の奥へと消えていった

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