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冥王来訪
第一部 1977年
潜入工作
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でなければ身分制度の濃厚に残る社会において、婦人兵を前線に送れぬであろう
男女の肉体差から男社会の軍隊では、婦人兵は元の世界でも扱いに困る存在でしかない
多少《まともな》頭をしていれば、精々軍の学校を出た後に、《腰かけ》で、後方勤務や教官などをやらせて、それなりの男と結婚してくれた方がマシであろう事は、幼児でもわかる

仮に、今の最前線であるソ連の場合は、共産国で、《男女平等》の観点から婦人兵を採用したという建前が成り立つかもしれないが、いくら不足とはいっても扱いに困る支配層の子弟、ことに、婦女子を送るという判断は、狂気の沙汰でなければ出来ぬであろう事
最も、元の世界の共産圏ですら、婦人兵の割合は多かったが、殆どが後方勤務であったことを考えると、特別な事情が無ければ婦女子を前線に立たせるのは非合理的だ

もし、この世界の日本政府が、判断を誤って本土決戦前に、十分な衛士や候補生がいる状態で、このような方針を決定すれば、血統や婚姻関係によって成り立つ貴族層、《武家》を壊すためにやってるようにしか見えぬであろう

その様な方針を示せば、武家や一部の過激派、俗にいう烈士が、反乱起こしかねない
まるで政府上層部が、反乱の火種を配って歩く姿が見える 
戦時の重要局面で、内乱を招けば、前線ではなく銃後から、この国は崩壊するであろうと

美久の強化装備姿を見た彼は、深いため息をつくと、呆然とする彼女を置き去りにしたまま、その場を後にした


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