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その理由で改宗か
第一章

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                その理由で改宗か
 田守護堂はこの時悩んでいた、それで友人達に言った。
「六人の彼女と公平に仲良く付き合うにはどうすればいいんだ」
「死ね」
「ふざけるな」
「地獄に落ちろ」
 友人達はそのやや細い目を真剣にさせて腕を組んでいる彼に即座に答えた。
「六股とか何だ」
「幾ら何でも多過ぎだろ」
「手前さっさと甲子園の一塁側で巨人応援しに行け」
「おい、俺は真剣なんだよ」
 田守は友人達にそうした顔で返した。
「実際にな」
「真剣でも死ね」
「異端審問の時代にバチカンの悪口言え」
「それか光の巨人の星に攻撃浴びせてこい」
「どれも死ぬじゃねえか、俺は生きてだよ」
 その細く整っている顔で言った、黒髪はマッシュルームカットにしていて一七五程のスタイルのいい身体を上等のスーツで覆っている。
「それでな」
「六人と同時に付き合いたいってか」
「これからも」
「そうだっていうんだな」
「ああ、六人共幸せにする」
 真顔で言い切った。
「俺にはその財力もあるしな」
「お前金儲け上手だしな」
「株で随分やってるしな」
「そっちで外さないからな」
「誰にも迷惑かけないで金儲けてな」
 そうしてというのだ。
「そこから投資もしてな」
「マンション幾つも持って」
「それでそっちの経営もしてて」
「金はあるな」
「だから六人共子供が生まれても養えるんだ」
 こちらの心配もないというのだ。
「だったらな」
「六人共か」
「公平に愛情を以て接してか」
「そうしてか」
「ああ、幸せにする」
 絶対にというのだ。
「俺はな、けれどイスラム教でも四人だろ」
「奥さん持てるのはな」
「六人は無理だぞ」
「流石にそれはないからな」
「そうだよな、イスラム教に改宗しても無理なら」
 六人を公平に愛する即ち家庭を持てないならというのだ。
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