暁 〜小説投稿サイト〜
私の中に猫がいる 完結
3-?
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 舜の会社が大阪で展示会に出展するので、見に来ないかと誘われたが、平日だったので、昼からお休みをもらって、出掛けることにした。

 ホテルレストランの関係者とか個人事業主相手らしいが、かなりの人で混雑していた。会場に入ると、厨房機械とか大掛かりなものから、色んなものが展示されていた。私は、こんなのをあんまり目にする機会も無かったので、珍しいものばっかりだった。

 中でも、並んでいる人が居たのは、焼きたてのパンを配っているところなんだが、わたしには、オーブンを展示しているんだか、パン生地なんだかなぁーと思いながら、舜のブースを探した。

 あった 目立たないのー 多分、事務所の女の人とふたりで、声を出しているけど、通る人はチラッと見るだけで、みんな素通りしていた。兵庫県と茨城県産のごま油を売り込もうとしているのだが、どうも、反応が良くないみたいだった。

 フースの前に行くと、舜が気が付いたみたいで

「すずり 来てくれたんだ ありがとう」

「うん どんなかなって思って」と、事務所の中野さんにも、頭を下げて挨拶をした。

「どうなの 商談まとまった?」と、私は聞いてみた。

「ううん かんばしくないなぁー パンフレットはみんな持っていくけど」と、舜も元気なかった。

「あのさー 生意気なこと言って、ごめんね 私、思うけど、スティツクのきゅうりとか人参につけるのって、当たり前じゃぁない? 今は、お菓子よ 例えば、パウンドケーキなんかも試食用に置いてみたら そうよ 私 さくらになるわ」

「えー すずりにそんなこと頼めないよー」

「いいの やってみたい やってみようよ」

「わかった 中野さん どこかでケーキみたいなの買ってきてくれないかな できるだけシンプルなやつ」

 準備が整うまで、他のブースを見て周って、ワインの試飲なんかもして、ほんのりお酒を飲んで勢いをつけて、又、戻ってみた。ちゃんと、パウンドケーキみたいなものも並んでいた。人の流れが多くなった頃をみて、思い切って声掛けてみた

「まぁ いい香りがするわね 国産なの じゃぁ安心よね」と、大きな声を出して、ケーキをつまんだ

「おいしいわ 洋菓子にも合うのね 健康的だから女性にはうれしいわね」と、少し、恥ずかしかったがアピールした。そのうちに、足を止め、何人かの人がつまんできて、私が、中野さんに説明を聞いていると、独りの女性の方が、舜に説明を求めてきた。2軒の洋菓子屋を経営していると言って居た。割と熱心に聞いていたので、見込みがあるのだろう。

 その後、私は、又、会場をぶらりとして、頃合いをみて、戻って

「じゃぁ私 帰るね」と、舜に伝えると

「あぁー 5時までだから、その後、飯でも喰いに行こうよ 今日のお礼」

「そん
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ