暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
パステルパレット
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のところから引っ張り出す。一瞬の迷いもなく、警察の番号を入力した。

「申し訳ありませんが、ここは通報させていただきます」
「だから、俺は……!」
「お待たせしました! 連れてきましたよ」
「あれ? ハルト君じゃん!」

 麻弥に続いたその声は、ハルトには救いに聞こえた。
 水色のステージ衣装に身を包んだ日菜が、ハルトを見つめていた。

「日菜ちゃん……!」

 助けられた。
 ハルトは大きく肩を下ろしながら、安堵の息を吐いた。

「どうしてハルト君がここに?」
「いや、ちょっと君に伝えたいことが……」
「日菜ちゃん、今は本番前よ」

 日菜との会話になる前に、千聖が突っかかる。

「知り合いと話すのは後にして。あと麻弥ちゃんも、終わったらお説教ね」
「へ……?」

 茫然とする麻弥。心の中で彼女に謝罪しながら、ハルトは続けた。

「……少しだけ、時間をくれない? 紗夜さんのことで……」
「お姉ちゃん!?」

 紗夜の名前を出した瞬間、日菜が勢いよく振り向いた。

「お姉ちゃん、来てくれるの!?」
「それが……」
「日菜ちゃん!」

 また咎める千聖の声。
 だが、日菜は「大丈夫大丈夫」と、どこかぎこちなく言った。

「この人、すっごくるんってくる人だから! ねえねえ、あたしに用があるみたいだし、ちょっとだけ話してくるね」
「日菜ちゃん。今はもうライブ前なのよ? 部外者と話すのではなく、ライブに向けて集中しなければならない時よ」
「大丈夫だよ。すぐに戻ってくるから! ほら、ハルトくん、行こっ!」

 日菜はそう言って、ハルトの手を取り連れ出した。
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