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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
特別編 追憶の百竜夜行 其の五
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 アダイト達がリオレイアの相手を引き受けている間に、他の同期達は門に迫ろうとしているモンスターの排除に動いていた。
 彼らも新人らしからぬ技量と才覚の持ち主であったが、それでも百竜の如き群勢を押し返すには至らず、徐々に防衛線は里に繋がる門へと近づきつつある。これ以上引き下がっては、モンスターの攻撃が門に届いてしまうのも時間の問題であった。

「……ちくしょうッ! このままじゃあ門まで接近されちまうぜッ! もう我慢ならねぇ、俺は行くぞッ!」

 遥か後方で禍つ琵琶を奏で、仲間達の能力を強化することに専念していたアカシ・カイトも、痺れを切らして演奏を中断している。ハンマーに通ずる鈍器として狩猟笛を振り上げた彼は、猛烈な勢いで転がってくるラングロトラに、真っ向から強烈な一撃を叩き込むのだった。

「ぐおぉああッ!」

 あまりの衝撃に赤甲獣はたまらず横転してしまうのだが、アカシも反動で激しく吹っ飛ばされてしまう。クルルシリーズの防具がなければ、転倒する程度では済まなかっただろう。
 ふらつきながらも立ち上がろうとする彼を狙い、一足先に体勢を立て直したラングロトラは長い舌を伸ばそうとする。しかしその前に、真横から飛び出してきた別のハンターに、ウォーハンマーIで殴り倒されてしまうのだった。

「全くもー、アカシさんったら無茶にも程があるッスよぉ! ……でもまぁ、そういうガッツあるところはやっぱり大好きッス!」
「……へっ、うるせぇよレマ! 歯の浮くようなこと抜かしてねぇで、さっさとコイツ仕留めるぞ!」
「了解ッス!」

 可憐な容姿に反した怪力で、その鉄槌を軽々と振り回すレマ・トールは、快活な笑顔を咲かせてアカシと視線を交わしている。
 その身に纏うボロスシリーズの防具を信頼している彼女は、猪突猛進なまでに真っ直ぐな挙動で、ラングロトラ目掛けてウォーハンマーを振り上げていた。アカシも彼女と共に、狩猟笛を抱えて赤甲獣に猛進している。

「でやぁあぁあぁッ!」
「うおおおぉッ!」

 彼らはその手に握る武器の火力にモノを言わせ、全力でラングロトラの甲殻を滅多打ちにしていった。2人掛かりの乱打は凄まじい衝撃を齎し、赤い甲殻に亀裂を走らせていく。
 だが攻撃に集中するあまり、赤甲獣の身体を中心に黄土色の煙が噴き上がっていることに気付かず――手痛い「反撃」の瞬間が、近づいて来ていた。

「アカシさん、レマさん! お2人とも、深追いは禁物ですよッ!」

 だが、ラングロトラの武器であるガスが噴霧されることは、最後までなかった。その前に、砕かれた甲殻の隙間へと太刀を突き込まれてしまったのである。しかもその刃は、赤甲獣に有効な水属性だったのだ。

「ヤクモ!?」
「ヤクモさんっ!?」
「ここは私にお任せください……はぁあぁ
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