暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第2節「新しい生活」
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んは通話を切った。

「どうだ紅介。満足したか?」
「最高……くぅ〜ッ!翔、お前と友達でよかったぜ〜ッ!」
「大袈裟なやつだなぁ、お前は」

両手を合わせて俺を拝む紅介に苦笑いしながら、画面の方へと目を戻す。

ちょうど、姉さんがマリアさんと共に退場して行くところだった。

「キラキラしてたね、翼さんも、マリアさんも」
「ああ、そうだな。今日、出演したアーティストの中で一番輝いていたさ」

純がジュースの入ったコップを出してきたので、俺も自分のコップを手に取り乾杯する。

何に乾杯したかって?無論、歌いきった姉さんに決まってるとも。

「……でも、月の落下とフロンティアの浮上に関連する事件を収束させるため、マリアは生贄とされてしまったデス」

ポツリとした呟きに振り向くと、暁と月読が俯いていた。

「大人達の体裁を守るためにアイドルを……文字通り偶像を強いられるなんて……」
「ツェルトもマリアに付き添って、その片棒を担ぐ事になって……これじゃ二人が報われないデスよ」

二人が案じているのは、マリアさんの現状だ。
現状のマリアさんは、自由とは程遠い立場にある。

彼女は月読や暁の身の安全を人質に、米国政府との法務取引を強いられたらしい。

今の彼女は、フロンティア事変を終息に導き、世界を救った“救世の英雄”を演じさせられている。
あの日憎んだ汚い大人達に、彼女は今でも縛られている……皮肉な事に。

「……そうじゃありません」

その暗い流れを断ち切ったのは、マリアさんの妹であるセレナだった。

華麗に歌いきった姉さんとマリアさん、二人への感想を交わして盛り上がる板場や紅介達を見ながら、セレナは続ける。

「マリア姉さん達が守っているのはきっと、わたし達が……そして、皆が笑っていられる日常なんだと思います」
「セレナ……」

そう。セレナの言う通りだ。
そのためにあいつは……ツェルトは、マリアさんと共に居ることを選んだ。

月読や暁と一緒に、日常の中で過ごす事も選べたはずだった。
それでも、ツェルトはその道を自ら捨てて今を選び取った。

マリアさんに守られて過ごすのではなく、マリアさんを守り支えながら、共に茨の道を歩く選択。
あいつは今、本当になりたい自分になったんだ。

だったら、俺たちがすべき事は二人を憂う事ではなく──

「……そうデスよねッ!」
「だからこそ、わたし達が二人を応援しないと……ッ!」
「うんッ!」

そうだ。今でも抗い続けている二人を、応援する事だろう。

そういや、緒川さんとツェルトも元気にしているだろうか?
俺も後で、ライブ終わったら電話してみようかな。

ff

その頃、都内某所にて。

月下に舞う一枚の硬
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