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MOONDREAMER:第一章(ノベライズ作品)
第一章 幽々子オブイエスタデイ
第9話 一区切りの終焉
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「おいおい、お前らしくないなぁ……」
 魔理沙がぼやく先には、うつ伏せに倒れた霊夢の姿があった。
 目の前には憮然とする依姫。
「前の神奈子のときといい、今回といい、調子狂うなぁ」
 以前の異変で神とやり合った時の事を持ち出して霊夢がぼやく。
「貴方は力の使い方を間違っている。修行が足りない」
 そう依姫は指摘する。
 この博麗霊夢は類いまれなる才能を以てして、幻想郷での異変を解決してきたのである。
 しかし、依姫にもそれに匹敵するかそれ以上に才能が備わっているのだ。八意曰く『頭が切れ、教えた事を何でも吸収した』との事である。
 ここで『努力』の差が顕著に出た訳だろう。霊夢にとって依姫は、やりにくい相手という事もあるが。
「……大体ねぇ。私は妖怪退治の専門家なの。
 相手が神様だとどうも勝手が違うのよね。
 もっとこう、倒して然るべき相手が──」
 そう言って霊夢が視線を送る先には……。
「もう飽きて寝ていますわ」
 そう微笑む咲夜の膝で舟を漕ぐレミリアの姿があった。
「あーあ! もっと妖怪らしい妖怪を退治したいねぇ!」
 そう駄々を捏ねると、霊夢は何かを放り投げた。それは札のようだが──全体的に暗い色でどこか禍々しかった。
 それを依姫はすかさず斬ると、「……!」彼女の表情が凍りついた。
「『大禍津日(オオマガツミ)』」
 刀がどす黒いもやに包まれながら戦慄する依姫に、霊夢は冷たい笑みの下言った。
「あんたたちの弱点はわかっているわ。
 穢れなきこの浄土に、穢れを持ち込まれるのを極端に嫌うこと」
「なんですって? じゃあ、さっき投げた物は」
「大禍津日神がその身に溜めた厄災よ。
 放っておけば月に寿命をもたらすわ。
 弾を一つ一つ潰さないと月は地上と変わらなくなる。
 これであんたは私の弾を避けるわけにはいかないでしょ?」
 スポーツでは相手の弱みにつけ込む事は勝つための立派な手段として持ち出されるものであり、弱みにつけ込む覚悟は努力よりも重要とされてしまう事すらあるのだ。
 しかし、この『月に穢れを持ち込む事』は度が過ぎていた。例えるなら地震が起きないが故にその対策をしていない土地に大地震を持ち込むようなものであった。──無い物の対策などしない訳であるから甚大な被害が出るだろう。
「すげぇぜ! まるで倒して然るべき妖怪みたいだ(霊夢が)!」
 その実感がない魔理沙は暢気に感心していた。
 
◇ ◇ ◇

 霊夢は両手を上げて頭上に穢れの塊を集め、そして投げつけた。
 辺りには大量の毒々しい穢れの弾が展開されていた。蝶や蛾の鱗粉を真っ黒に染めて巨大化させたかのような異様な光景だった。
 依姫は刀でそれを一つ一つ斬っていた。
「ああもう、きりがないわ。私が負けようかしら」
 霊夢
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