第二章
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ある日私はどうしても総務部の縁の下の力持ちである先輩に協力して欲しくなった、この人なら確実に出来るけれど他の人には出来ない仕事だ。
けれど先輩はこの時忙しい、それで私は困ってきた。
「あの人に頼みたいけれど」
「それでもよね」
「あの人今忙しいから」
同期の娘にこう答えた。
「だからね」
「確かにあの仕事はあの人なら絶対に出来るわ」
同期の娘もこう言った。
「私もそう思うわ」
「そうでしょ」
「けれど逆に言えばね」
「あの人以外だとね」
「まともに出来ない仕事よ」
「そうよね」
「だからね」
それでというのだ。
「私もね」
「あの人の協力が必要だって思うわね」
「ええ」
その通りという返事だった。
「今回はね」
「けれどあの人本当に今忙しいから」
「どうしたものかしらってなってるのね」
「お願いしにくいわね、かなり」
「だったらね」
ここで同期の娘は私に言ってきた。
「あの人にお願いする時にね」
「その時に?」
「そっとね、某たけのこの山出せばいいのよ」
「あのお菓子なの」
「あと某キットカットもね」
これもというのだ。
「この二つを出したらね」
「聞いてくれるの」
「仕方ないなとか言いながらね」
「そうだったの」
「あの人実はチョコレートが好きで」
甘党とのことだ。
「それで特にね」
「この二つがなのね」
「超がつく位好物だから」
だからだというのだ。
「この二つを出したらね」
「忙しくてもなの」
「聞いてくれるわ」
「それじゃあ」
私はどうしても先輩の協力が欲しかった、それでだ。
早速お昼休みにコンビニに寄ってその二つを買って先輩のところに行ってお願いする時にその二つをこれはほんのと言って差し出すと。
先輩は同期の娘が言った通り仕方ないなと言ってから協力を約束してくれた、そしてその仕事はその人のお陰で無事に成功した。
私はこのことにほっとした、だが。
その後でだ、私は同期の娘に仕事が無事に終わったことに喜んで話をしていたがその時にふと気付いた。
「お菓子にしても」
「どうしたの?」
「これって賄賂よね」
「ああ、お金じゃないけれどね」
それでもとだ、同期の娘も頷いてきた。
「そうなるわね」
「そうよね」
「ええ、そういえば私もね」
同期の娘も自分のことを言ってきた。
「親戚の子にパソコンのこと教えてもらう時に」
「何か贈ったの」
「その子が好きなゲームの攻略本買って」
そうしてというのだ。
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