暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝供書
最終話 話が終わりその六

[8]前話 [2]次話
「くれぐれもです」
「健やかに育ち」
「そしてです」
「茶道や学問もですか」
「身に着けてそして確かな大名として」
 その立場でというのだ。
「天下万民を救い豊かにする」
「そうなって欲しいですな」
「二人共。それが今のそれがしの一番の願いです」
「そうですか」
「ですからそう願っておりまする」
「実はです」
 家康はここでこうしたことを話した。
「羽柴殿のご次男お拾殿とそれがしの孫がです」
「この度ですな」
「上様が言われて」
「婚姻をですな」
「結ぶとの話が決まることになりそうです」
「それはいいことですな」
「これでそれがしと羽柴殿は親戚同士」
 羽柴を見て微笑んで話した。
「有り難いことです」
「それがしこそ。徳川殿が拾の祖父となるのなら」
 それならというのだ。
「それがしも嬉しいです」
「ははは、それがしの娘達の婚も決めてもらいましたし」
 長政も言ってきた。
「まこと上様には感謝の念しかありませぬ」
「浅井殿もですな」
「何事についても」
「それは何よりですな」
「奥もそう言っています」
 市、信長の妹でもある彼女もというのだ。
「何かと」
「そのこともよいことですな」
「常にそう思っています」
「これから天下を長く泰平なものにする」
 明智は静かな声でその場にいる一同に述べた。
「上様の下で。それがです」
「我等これからの務めですな」
 また羽柴が応えた。
「左様ですな」
「まさに、ですから」
「我等はこれよりは」
「共に力を合わせ」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「天下を治めていきますな」
「そうしましょう、幕府の政の仕組みは出来上がってきていますし」
「そしてその政も」
「これを今以上に盤石なものとし」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「以後長く泰平の世にする」
「永遠にですな」
「はい、そこまでです」
 ただの泰平だけでなくというのだ。
「なる様にです」
「政に励むべきですな」
「そうしましょうぞ、何かとあるでしょうが」
 それでもというのだ。
「そうしましょうぞ」
「それでは」
「さて、これよりです」 
 再び家康が言ってきた。
「上様が来られたなら」
「それならですな」
「今宵は宴となります」
 それが行われるというのだ。
「そうなりますので」
「それで、ですな」
「はい、それもそろそろなので」
 それでというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ