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ある雌ライオンの子供
第二章
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「ライオンとオリックスは種類が違うな」
「生きものとして」
「しかも肉食と草食だな」
「普通オリックスはライオンの餌ですね」
「そうだな、けれどああしてな」
「育てていると」
「やっぱり無理があるんだ」
 それが生じるというのだ。
「だからな」
「そういえば二匹共かなり痩せていますね」
「だからオリックスは群れに返す」
 そうするというのだ。
「保護してな」
「そうするんですか」
「これからな、そうすればカムニャックも狩りに専念出来て」
 そうなってというのだ。
「食える様になってな」
「体調が戻るんですね」
「そしてオリックスも普通に食べられて」
 普通に草をというのだ、見ればカムニャックはずっとオリックスの傍にいて見守っている。肉食獣がいれば威嚇している。だがオリックスの近くには食べられる草がないのかじっとしてそうして立ったままだ。
「体調が戻る」
「やっぱり肉食獣と草食獣が一緒にいることは」
「無理があるからな」
 どうしてもとだ、クラインはハルサに話した。
「どうしてもな」
「二匹共痩せて」
「どっちも死にかねないからな」
「これからオリックスを保護するんですね」
「そうするからな」 
 こう言って実際にだった、クラインは保護のスタッフ達を連れてだった。
 オリックスを保護した、オリックスは雄でカムと名付けた。彼を保護する時カムニャックは威嚇したが。
「ガルル・・・・・・」
「いつも通りにするからな、安心しろ」
 クラインが彼女に言った、するとだった。
 カムニャックも納得した、そうして大人しくなりオリックスが保護されるのを見守った。カムニャックもカムも悲しそうな目を交えさせてだった。
 別れた、それからカムは保護されて暫く栄養摂取等を受けてだった。
 オリックスの群れに戻された、この時クラインは彼に言った。
「自分の世界で幸せにな」
「ヒン・・・・・・」
 カムは鳴いて応えてだった。
 オリックスの群れに戻った、それを見届けてからクラインはハルサにまた話した。
「こうしたこともあるんだ」
「ライオンがオリックスを育てることもですか」
「一頭で暮らしてな」
 そうしてというのだ。
「そうしたこともな」
「世の中何があるかわからないですね」
「全くだな、カムニャックは一頭に戻った、けれどな」
 それでもとだ、クラインはさらに話した。
「またオリックスの子供を保護してな」
「育ててですか」
「一緒に暮らす」
「そんなライオンもいるんですね」
「ああ、そしてその時はな」
「またクラインさん達がオリックスを保護するんですね」
「そうするさ、ライオンがするんだ」 
 オリックスの命を助けるというのだ。
「だったら人間もな」
「そうしないと駄目です
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