第二章
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夫婦は子猫を拾って家に帰った、そうして子猫を病院に連れて行って性別も雌でありかつ病気がないことも確かめて。
そのうえで子猫に名前を付けた、妻が夫に言った。
「ライザにしましょう」
「何か野性味のある名前だな」
「何か外見がそんな感じだから」
「野性味があるか。そういえばな」
「そうでしょ」
「何処かな」
「だから名前はね」
それはというのだ。
「ライザにね」
「そうか。それじゃあな」
「ええ、ライザにしましょう」
「それでな」
夫も頷いてだった、猫の名前はライザになった。そして。
ライザは夫婦にいつも世話をされてすくすくと育っていった、まさに二人によってそうなっていた。しかし。
ライザは我儘で狂暴で気まぐれだった、トイレはすぐに覚えたが家のあちこちを跳ね回ってかつだった。
「またこんなところで爪研いで」
「時計を落としたわよ」
「あちこち動き回るから何でも落としてひっくり返してな」
「それであちこちで吐いてね」
「ちょっとご飯ないと寄越せって鳴くな」
「私達の姿が見えないと鳴くし」
夫婦でテーブルに座ってコーヒーを飲みつつ話していた、そのテーブルの真ん中に。
ライザはいた、ふんぞり返っている顔で寝ている。そのライザを見て話していた。
「好きな場所で寝て」
「やりたい放題だな」
「私達が拾ったのに」
「もう自分が家の主だな」
「ええ、これが猫なのね」
「話は聞いていたけれどな」
それでもとだ、夫は言った。
「まさにその通りだな」
「自分がご主人様ね」
「本当にな、けれどな」
夫は温かい笑顔でこうも言った。
「そんな子だからな」
「余計に可愛いわね」
「愛嬌はあるしな」
「退屈もしないわ」
「まるで子供達の小さい頃みたいだな」
「もっと手がかかってるわよ」
「それはそうか」
「そうよ。うちの子達こんなに好き放題してなかったから」
そのライザを見て話した。
「そう考えたらね」
「ライザはそれ以上にか」
「手がかかってるわ」
「それはそうか。そんな子だからな」
「余計に可愛いわね」
「それが猫だな、この子が家に来てよかったな」
夫の顔は笑顔のままだった。
「だからこれからもな」
「ええ、ずっとね」
「ライザと一緒にいような」
「もうライザのいない生活なんて考えられないわ」
妻も笑顔だった、その笑顔で言うのだった。
「本当に」
「そうだな、じゃあまた後でご飯あげてな」
「この子と一緒にお散歩に行きましょう」
猫用のリードを付けてというのだ。
「そうしましょう」
「今日もな。じゃあライザ今日も散歩に行くぞ」
「ニャア」
ライザは鳴いて応えた、そしてだった。
夫婦の前でどんと寝ていてその後の散歩でも自分が
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