第一章
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大阪の赤舌
山下浅海、胸までの赤髪をツインテールにしていて艶やかな感じの目を持っており形は細めだが濃いダークブラウンの眉を持っている彼女は学校帰りに同じ学校に通っていて交際相手でもある浜田歩にいさささか不満そうな顔で言った。神戸の学校から今は二人が住んでいる大阪市福島区の淀川の傍を歩いている。二人は中学の時からの付き合いで家も近く同士なのだ。
「何か最近数学の授業がね」
「わかりにくいか?」
「ええ、歩はどうなの?」
一七四程の背で痩せた身体に白い細面で細く短めの眉に小さな目を持つ彼に問うた。
「最近どう?」
「俺はそんなに」
歩は小さな唇で答えた、着ているのは灰色の七つボタンの詰襟だ。
「思わないけれど」
「そうなの」
「ああ、そうした時はやっぱりな」
「予習復習?」
「お前数学元々嫌いだろ」
「ええ、それはね」
浅海も否定しなかった、背は一六二程だが青のブレザーに黒と黄色のネクタイと白のブラウス、グレーと黒、白のタートンチェックのミニスカートの制服からは九十二ある胸がやけに目立って仕方ない。
「英語や世界史はしてるけれど」
「あと現国とかな」
「文系はね」
「お前文系得意だからな」
「だからね」
それでというのだ。
「数学はね」
「だから駄目なんだよ、予習復習してたらな」
歩は真面目な顔で話した。
「そうしたらな」
「わかる様になるのね」
「そうだよ、だからな」
「わからないなら勉強しろっていうの」
「俺だってしてるぞ」
予習復習をというのだ。
「数学もな」
「だからあんたわかるの」
「お前好きな教科以外勉強しないだろ」
「文系をね」
「だから数学もわからないんだよ、だからな」
「数学もなのね」
「予習復習しろ、さもないとまた赤点ギリギリだぞ」
「数学いつもギリギリなのよね」
赤点のそれをというのだ。
「実は」
「幾ら大学は文系でもな」
「何時赤点になるかわからないから」
「多少はな」
「勉強しないと駄目ね」
「やっぱりそれだよ」
何といってもというのだ。
「本当にな」
「そうなのね」
「川の測量だってな」
歩は二人が今傍を歩いているその淀川を見つつ話した。
「数学が必要だろ」
「それはね」
「数学も世の中に必要なんだよ」
「だからこの世に存在しているのね」
「算数って言ってもいいけれどな」
「それで私もなの」
「ある程度でもな」
「勉強しないと駄目ってことね」
「そうだよ、だからな」
「予習復習ね」
「それが大事なんだよ」
こう浅海に話した、そしてだった。
二人は共にそれそれの家に向かって一緒に歩いて下校のデートを楽しんでいた。その中で浅海はふとだった。
淀川を見て
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