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毒親達の末路
第一章

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               毒親達の末路
 国崎洋介はこの時国崎家に来た親戚が連れてきていた二人の女の子達を見ていた、一人は二歳程でもう一人は一歳位だ。
 洋介はその二人を見つつその親戚の人に言った。
「あの百田さんとこから出て随分明るくなりましたね」
「上の娘、祈里ちゃんがね」
 親戚の人、洋介から見て親戚の叔母さんになる国崎万砂子、大きな目で四十五歳だがまだ若々しい背の高いすらりとした黒髪がさらりとした彼女が言った。
「もう引き取った時とは別人みたいに」
「明るくなって」
「この通りよ」
「それはよかったですね」
「暫く育児放棄されていて」
「可愛がっていたのが」
「それで下の娘、里菜ちゃんが生まれたら」 
 そうなったらというのだ。
「急に邪険にされてね」
「ほったらかしにされて」
「物凄く寂しく辛い思いをして」
「暗くなっていたんですね」
「そうだったのよ、それがね」
「叔母さん達の家の子供になって」
「この通りよ」
 叔母も甥に笑顔で話した。
「明るくなったのよ」
「そうですね」
「ええ、しかしね」
 ここでだ、叔母は。
 自分の娘達と共にいるふわりを見て言った。
「ふわりちゃん面倒見がいいわね」
「ええ、こいつこんな奴なんです」
 洋介は叔母に笑顔で答えた。
「よく気がついて」
「それでなのね」
「面倒見がいいんですよ」
「そんな娘ね」
「見ての通りね」
 見れば下のまだはいはいしている娘が泣くとだ。
「ワンワン」
「泣いちゃったわね」
 叔母は自分のところに来て知らせてくれたふわりに笑顔で答えた。
「あやしてあげるわね」
「ワンッ」
 叔母は下の娘をあやして泣くのを止めた、その間。
「ワン」
「おもちゃ貸してあげるか」 
 洋介は上の娘に自分のおもちゃを咥えて差し出すふわりを見て笑顔になった。
「偉いな、そんなことするなんて」
「本当にね」
 叔母もそれを見て言う、そして。
 下の娘のおむつも咥えて持って来た、叔母はそんなふわりを見て言うのだった。
「ふわりちゃんから見てこの娘達って妹よね」
「ああ、あの連中の娘だから」
「そうよね」
「そうなりますね」
 洋介は叔母に不機嫌な顔で答えた。
「そういえば」
「そうよね」
「言われてみれば」
「ふわりちゃん最初あの人達のお家にいたから」
「ペットショップで二十万か三十万払って買って」
 そうしてというのだ。
「最初は滅茶苦茶可愛がっていて」
「本当の娘みたいだったのよね」
「そうだったんですよ」
「それで祈里ちゃんも里菜ちゃんもね」
「あの人達の娘ですからね」
 洋介はここでこう言った。
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