暁 〜小説投稿サイト〜
日本国召喚〜Country survival〜
邂逅編
第2話 交流と迫る不穏
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現在、東宝諸島全体の人口は100万人を超え、本土とそう変わらない生活を送る事の出来る都市は日に日に拡張を続けている。また手つかずの大地が多いため、自衛隊はそこに演習場兼装備試験場を設け、日々自衛隊装備の開発と、日本国内では中々行えずにいた長距離攻撃用兵器を用いた演習が執り行われている。

「いきなり世界との繋がりが断たれて、しかもグアムやトラック諸島との通信が繋がったと言って、在日米軍は横須賀や佐世保から、グアムの方へ移動してしまった時は、どうすれば生きていけるのか不安になったけれども、こうして平穏に暮らしていけるから、杞憂に終わったな」

「そうですね…特殊生物による被害も少なくなっていますし、このまま何事もなく、日々の生活を取り戻せればいいのですが…」

 事務所で書類の整理を進める2人の社員はそう話しながら、今後の日本の行く先に思いをはせるのだった。

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西暦2029年/中央暦1639年3月24日 クワ・トイネ公国マイハーク

 クワ・トイネ公国最大の都市、マイハーク。その沿岸部にある公国軍守備隊司令部では、1人の女性が4年もの歳月を経て変貌を遂げつつある街並みを見つめていた。

「ニホンやタイワンと国交を結んでから、随分と変わったな…」

 公国軍マイハーク守備隊司令を務める、イーネ・クワ・コルメス一等佐官はそう呟きながら、視線を北側の方に転じる。
 マイハークの港は元々アーチ状の巨大な山と隔てられた球形の内陸湖沿岸に築かれており、山の真下を通る巨大な洞窟によって外洋と繋がっているため、時化が訪れてもその被害を余り受けない良港として知られていた。
 現在は外洋に面した地点が日本・台湾両政府のODAによって開発され、険しい崖は切り崩され、その際に生じた土砂で海岸線を埋め立て、平地を広げた上でそこに近代的な港湾部が建設された。
 同時に内陸部の穀倉地帯や公都クワ・トイネと結ぶ鉄道の敷設が行われ、穀倉地帯からマイハーク新港へ繋がる路線の開業後、1年後には南の友好国クイラ王国へと通じる路線がパイプラインとともに整備され、トイネ・クイラ両国間の貿易は非常に活発なものとなった。
 また、日本から生産量を増やすための耕作機械導入に当たって、日本式教育機関を設けて識字率と自国の技術水準を向上させようという運動も起こり、今ではクワ・トイネ市やマイハークに日本式教育制度を取り入れた国立学園が建てられている。
 市街地には日本から輸入した貨物輸送用のオフロード車や、公共交通機関として整備された路面電車が走り、馬車は次第に姿を消しつつある。見えないところでは近代的な浄水設備から送られてくる浄水が流れる水道に、蝋燭よりも長寿命かつ低コストな電灯を灯すための電線が整備され、病院の近代化も併せて
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