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ダタッツ剣風 〜業火の勇者と羅刹の鎧〜
第7話 先代勇者の真実
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た超人である異世界人を、都合よく利用するために生み出された「勇者」という概念。術者が望みさえすれば、容易く開かれる異世界への「門」。
 その事実を竜源が目の当たりにしたのは、とうに肉体が滅び、霊魂だけの存在になった頃のことであった。

 この世界そのものへの憎悪を募らせた彼の怨念が伝播し、ただの刀や甲冑でしかなかった竜源の遺品は、禍々しい力を秘めた呪具へと変異し。竜源自身の魂も、やがてその一つである鎧へと宿された。
 それから数百年が過ぎ、竜源以来となる勇者召喚が決行された日。彼は元の世界に残してきた妻子の末裔である、竜正との再会を果たしたのである。

「……お前が俺を捨てたあの日、この餓鬼が俺に覆い被さってきてな。気が付いた時には、俺がこの身体を乗っ取っていた。返す方法など知らんし、知っていたとしても馬鹿正直に返すつもりなど毛頭ない」
「復讐として、この世界に居る人々を一人でも多く苦しめるために……盗賊団の頭領(ランペイザー)になったと言うのか」
「元々はそうだのかもなぁ。けど今となっては、そんなもんどうでもいいのさ。……餓鬼の頃から食うや食わずの人生だった俺には、今の暮らしの方が性に合うってだけのことよ」
「……そうか」

 誰も知る必要のない、勇者に纏わる真実。その一端に触れたダタッツは、ゆっくりと息を吐くと――瞬く間に鋭い顔へと豹変し、弾かれたように銅の剣を投げ付ける。

「……!」

 その飛剣風を弾いた竜源は、躊躇いなど一欠片もない殺意の一閃を前に、初めて笑みを消すのだった。

「先祖が相手なら、手加減してもらえるとでも思ったか」
「……ハッハハハ、良いねぇ! 我が子孫がそんな腑抜けだったら、情けなさで自刃してたところだぜ!」

 その後に始まったのは、これまで以上の高笑い。本気で子孫が自分を殺そうとしているこの状況に、かつてないほどの昂りを覚えている、狂人の貌であった――。

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