暁 〜小説投稿サイト〜
MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第36話 外界っ子バトル:前編
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ら分離していて、腋が露出されている事であろう。
 そんな際立つ召し物に身を包んだ存在──早苗に、勇美は気兼ねなく話し掛けるのだった。
「あなたが東風谷早苗さんですね?」
 呼び掛けられて、その少女──早苗は勇美に向き直り言葉を返す。
「そういうあなたは黒銀勇美さんですね?」
「ええ、まあ」
 勇美の事が知られている、これもお決まりの展開なのであった。
 話し掛けられた早苗は、勇美の意図を汲み取って続ける。
「私に話し掛けたのは、つまり私と弾幕ごっこがしたいという訳ですよね」
「そういう事です」
 勇美はそうはっきりと言った。今回自分から進んで弾幕ごっこを相手にお願いしたのだった。
 今までは依姫に言われる形でやっていたのだが、これからは自分の意思で行うべきだろうと勇美は考えての事であった。
 これは勇美が無理をしての事ではない。彼女自身、早苗から積極的に学びたいと思っての事である。その理由は。
「何故私と勝負をしたいと思ったのですか?」
「それはですね、早苗さんは私の『先輩』になるからですよ」
 その事が理由だったのだ。
 聞く所によると、東風谷早苗は幻想郷の外から来た外来人なのである。それは守矢神社が科学の発達した外の世界では信仰を集められなくなった為であるのだ。
 そして早苗は自分の仕える守矢諏訪子と八坂神奈子の二柱の神と一緒に幻想郷にやって来たのである。
 つまり、同じ外界から幻想郷に来る事になった勇美にとっては、早苗は先輩になるという訳なのだ。
「先輩ですか……」
 その言葉を聞いて早苗はこそばゆい気持ちになった。そう呼ばれるのは悪い気持ちはしないのだった。
 自分はまだ幻想郷にとって新参で、まだ未熟であるけれど、教えられる事があるなら、やれる事はしよう。
 真面目な性格である早苗はそう思い至ったようであった。
「分かりました、私で良ければいくらでも相手になりますよ」
「ありがとうございます♪」
 快く承諾する早苗に、勇美は心弾むような気持ちになりながら返すのだった。
「でも、問題はどこで弾幕ごっこするかですね……」
「確かに」
 早苗の発言に、依姫も相槌を打った。それに対して、どういう事だろうと勇美は思った。
「どこでって、早苗さんの家ですればいいんじゃないのですか?」
 それで問題ないだろうと、勇美は言うのだったが。
「勇美さん、私の家──守矢神社がどこにあるか知っていますか?」
「それは、妖怪の山……って、あ」
 そこまで言って勇美はハッとなった。
「そんな山じゃあ、行くのが大変ですよね」
「そういう事ですよ」
 空を飛べる早苗なら妖怪の山から飛んで人里まで簡単にやって来れる訳だが、それが出来ない勇美では登山という労力の掛かる行為を強いられてしまうだろう。
 だが、その理
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ